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初めて入るしげの家は、
明らかに寝るためだけの部屋と化してて
やって、ベッド以外使われた形跡全然ないねんもん(笑)
やのに、リビングはぐっちゃぐちゃで。
淳「ぅゎ、お前、」
「ぅっさい、片付ける暇なかってん、」
「そやな、とりあえずそこ座って、
熱だけ測るわ」
自覚はあるのか、静かにソファに腰を下ろすしげの脇に
体温計をつっこむ
数秒後に告げた電子音は38.1°やった。
「あちゃ、まあまああるなぁ、
とりあえず冷えピタな、
あとはベッド移動して横になろうか」
「………かなわへん、」
「……ん?」
「今日はかなわへん人ばっかおる、」
「何言うとん、ほれ行くよ、」
多分なんか言いたいことはある。
そんな雰囲気は彼から痛いほど伝わっとるけど
あえて深堀はしない。
きっと聞いて欲しいわけやないから。
自分で噛み砕きたいだけやねん。彼は。
「……けほっ、なんか、ベッド、来ると
しんどなるわぁ、」
「ふふ、熱あるんやで君。そりゃしんどいはずやて」
崇「飲みもん持ってきたでー」
ベッドに寝転がれば
毛布を首までかけて埋もれるしげ
はよ寝たいやろうなこの感じ。
飲み物だけ飲んだのを確認して
電気をオレンジの光にしてやる。
「しげー、寝るか?疲れたやろ?」
「……んー、でもなんかなぁ、寝られへん気がする、」
淳「俺ら帰ろか?無事家ついたことやしお役御免やもん俺ら。その方が寝れるやろ」
「…………ぃや、それは、いぃ、ここおって、」
淳「そう、なら居るわ、」
それっきり訪れる静寂。
なにか言いたくて仕方ないけど
俺らの様子を伺ってるような、
そんな状態がいくらかか続いて。
でも、口を開いたのはやっぱり彼だった。
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作者名:きりまる | 作成日時:2022年8月31日 23時