・ ページ13
・
番組もそろそろ後半
そっともんちをみればちょっとぼーっとしてる様子
やけど、頷いたり首振ったり動いてるから
大丈夫そうやねんけど、
頑張ってまうからなぁこの子。
ちょくちょく気にかけながらも、
エンディングまで撮り終え、
カットの声がかかるのと
淳太くんが小さく声を上げたのはほぼ同時やった。
淳「ぉ、っ、神ちゃん、」
神「……ぅっ、んぇっ、」
きっと神ちゃんは俺のいいつけを守って
淳太くんの肩を叩いたんやろう、
淳太くんの方を向きながら
口に当てた手の隙間から溢れ出る嘔吐物が
床にポタポタ滴っていた。
淳「ん、神ちゃん、ええよ、大丈夫、
まってな、おぉ、よしよし、」
神「……っ、ぐふっ、っ、」
崇「神ちゃん、ごめんな、袋当てるで
大丈夫、大丈夫吐いてしまい?」
神「……ぁ、っ、げぇっ、ん、」
淳「ん、上手。じょうずよ、」
「もんち、ちょっと手だけ拭くよ?
苦しいやんな、頑張れ、」
収録終わった瞬間の出来事に、
みんな一瞬固まったけど、
ある程度予期してたことやから
その後すぐに動き出すメンバー
兄組がモンチ見とる間に弟組は、
床を綺麗にしてくれて。
神「……っ、も、だいじょ、ぶ、っ、」
淳「よし、よう出来ました。
収録終わるまで我慢しとったん?」
神「……コクッ、ごめん、なさい、」
崇「えぇ、止めても良かったんに〜
でも偉いな?ちゃんと淳太も呼ぼうとしたんやもんな?」
神「……コクッ」
口もゆすいでちょっと楽になったのか
立ち上がって、スタッフさんに謝りに行こうとするから
慌てて体を支える。
「収録はちゃんと出来てたから大丈夫。
今は急に動き出したらあかんよ。
もう1回座って、」
流「おん、上出来やったで。神ちゃん」
神「……フルフル」
重「泣かんでええの〜神ちゃん」
色んなことで頭がいっぱいなんやろうな
彼の目に溜まった涙が1粒ポロッと床に落ちた。
1029人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きりまる | 作成日時:2022年8月31日 23時