幸せのかたち10

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重「……かみちゃーん、出て来れそう？」






照史が戻ってきてから数分が経って、

神ちゃんがトイレに篭ってからもう
20分くらい経とうとしとるから

さすがに冷えてしまうんが心配で声をかけてみる









神「…っ、しげっ、向こういっとってっ、」






と、

聞こえてきたのは弱々しい声と、水が流れる音











重「んー？どしたん？
落ち着いたなら出て来てええんやで？」








神「……ちゃうくてっ、」








水を流す音が聞こえたからきっと落ち着いたはずやのに
俺にどっかいってほしいと言う神ちゃんの意図がわからへんくて。

ほんならずっと見守ってくれてた隣から声が聞こえた。










照「もんちー？しんどいやろ？
ここ、開けて欲しいなー？」






重「……でもっ、神ちゃん嫌がっとる、」






照「……いや、
たぶん、なんか起きとるで中で」







……なに、どういうことなん、


照史にはわかって俺に分からんのがなんか嫌で
もやもやする俺に構わず


照史はひたすら優しく声をかける








照「……もんち、そこ寒いし寂しいやろ？
なーんも思わへんで、開けて？」







たぶん照史は中で何が起こってるかお見通し
それが神ちゃんにも伝わったのか

数分粘った末にガチャっと音がして。









照「ん、ええよええよ、こっちおいで」






照史に手を引かれて出てきた神ちゃんは
もう顔は青白くて、でもほっぺは赤くて。







神「……あきとっ、またっ、吐いちゃってっ、」







照「大丈夫大丈夫、しんどかったな？
しげちゃんのとこ行き？」







神ちゃんの言葉に驚いて
そっと中を除けばトイレマットが汚れてる







……そういうことか、








重「神ちゃん、おいで、ベッド行こ」







手先は冷たいけど体は熱い神ちゃん


とりあえず水を飲ませて横にならせて
熱を測れば39.5℃



ひぇ、死んでまうでこんな体温、、









神「……しげっ、ごめんっ、」






「ううん、なんも謝ることあらへんで
ゆっくり寝えや？俺ここおったるから」






神「……またっ、吐いてもうたらっ、」






「そやなぁ、不安よな、
でも大丈夫。俺も照史もおるからな」







神「………………ぅん、」











ゆっくりと長いまつ毛を下ろした彼から
数分もすれば少し荒い寝息が聞こえてきた。







……寝れるとええけど、







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