幸せのかたち9

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照史side









「…ぅ、げぇっ、げほっ、っ、」







あまり刺激せんように、
でも素早くトイレに連れていけば


まだ出し切っていなかった分がパシャっと便器に落ちる









照「ええよええよ、ゆっくりゆっくり」







後ろから声をかけながら
ひくひく動く背中をさすってやる。










なかなか気持ち悪さが抜けへんのか


しばらくその状態が続いてたけど
ようやく静かになって。












「……ん、よう頑張りました。」







「…あきと、ごめっ、みんな、ご飯やのに」







「気にせんでええの、しょうがないやろ？
むしろ、無理してまで食べてくれてありがとうやで」










落ち着いたしげをこっち向かせて
汚れてもうた手やら口やらを優しく拭く









「…みんな、汚いのにっ、掃除、」







「うんうん、申し訳ないねんな？
でもみんな嫌やなんて思ってないで？」








「…………、」








照「ふふ、そんな顔せんのだいじょーぶ」









「…………でもっ、」







「しーげ、メンバーやろ？大人しく甘えとけばええの」









・








「…………あきと、俺、寝てくる、」











相当嫌やってんな
みんなの前で倒れてしまうことも吐いてしまうことも。




俺らが知らない間から微熱とはいえ苦しんでいたしげ

治らへん体調にイライラが溜まるのは時間の問題やな









申し訳なさそうな、辛そうな、怒っているような、

そんな顔をして小さくごめんと呟くから









「ん、寝てきいや。おやすみ、な」








わしゃわしゃと頭を撫でて
ポンっとこいつの背中を押してやると





覚束無い足取りで階段を上がっていった。

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