雪が降る前に、【雪男】 (ページ8)

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マシになってきたけど、まだほんのちょっとの動きでもぐるぐる目眩がとまらない。

ぁ、薬…

見たら俺の勉強机にお水と薬が置いてあった。

多分、それも涼太兄さんが用意してくれたもの。

みんなに優しい涼太兄さん。

なのに俺は酷いことを言っちゃった。

謝りたいのにスグに動けない身体が嫌になる。

「ひぅ…うぅ……ぐずっ…」

顔を枕に埋めてグズグズ枕を濡らしていく。

俺、ほんとに最低だ…っ！

「亮平？大丈夫、って亮平！？どうした！？」

「ぐすっ…ひ、くん？なんで？」

「今週は早く終われるって言ったじゃん。で、なんで泣いてるの？」

「ぁ、おれ、おれぇ…」

ひーくんに正直にさっきあったことを言う。

「あー…やっちゃったな……亮平…」

「うぅぅぅ…」

「ごめんって！でも、亮平も今日朝から体調悪かっただろ？ほら、俺も一緒に謝りにいくから！な？」

「ぅん…」

ひーくんの背中に乗せてもらい、下に降りる。

既に学生3人は帰ってきてた。

「亮ちゃん！大丈夫なん？」

「へーき。」

「なんで亮ちゃん泣いてるの？」

「痛いのりょーちゃん？」

「ちが、ちがうの。」

「ねぇ翔くんは？」

「翔くんなら2階行ったやろ？会ってへんの？」

いつも下にいるはずの涼太兄さんがいない。

翔太兄さんは多分部屋にいるであろう涼太兄さんのとこに向かったんだ。

「あれ、亮平。大丈夫なの？」

「ぁ、翔太兄さん、涼太兄さんは…？」

「あー……今は、ちょっとな…」

「え、なんで？朝大丈夫だったはずでしょ？」

「真都、りょーくんのことについては、えっと…」

「蓮、ありがとな。真都、涼太はちょっとしんどくなっちゃったみたいだから、俺たちはちょっと静かにしてような。」

「…分かった！オレ、ご飯作る！」

「真都作られへんやろ。俺と一緒に作ろ。」

「うん！」

涼太兄さんがしんどくなった。

この意味を知らない奴なんてこの家にはいない。

「ひーくん……」

「…ご飯の時にしよう、亮平。」