雪が降る前に、【雪男】 (ページ45)

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「なぁにしてるのかあ…？」

「辰哉兄さん…」

「俺もいるよ、涼太兄さん。」

「亮平まで…」

「うわっ！1人で楽しもうとしてるー！！」

「大介兄さんっ、みんな起きちゃう…」

「…なにそれ。」

「まだ部屋に来ない思ったら…何してんだ馬鹿涼太！！」

「照…翔太まで…」

見事に成人組にバレた。

くっそぉ。

そしてケーキに目をつけられる。

「涼太兄さん…まさか、1人で食べようとしてたの…？」

「まっさかぁ！あの兄弟想いの涼太がするわけねえだろ亮平！」

甘党である翔太と亮平が俺を責めたてる。

ニヤニヤしてるのバレてるんだけど！？

「……なに。」

「涼太。」

「だからなに。」

「食べたいからちょーだい(はーと)」

「はーと、って見えてるから。」

「涼くんのケーキ食べたい。」

「うんうん。」

「元々亮平はお菓子抜きの刑だったんだけど。」

「なんでよ！？」

…はぁ。見事に5つの対の目に負け、5人分に切り分ける。

「あ、ソースも。」

……ついでにソースも。

「ん～！うまぁ…」

「やっぱ涼太の料理って美味しいぃ。」

美味しいと言ってくれることが俺にとっては幸せ。

だから顔が緩んでしまう。

「涼太、顔緩んでやんの。」

「うるさいよ翔太。」

ひっそり、静かな遅いお茶会。

たまにはこういうのもいいかもしれない。

ま、今度はバレないようにするけどね！

(こいつ、絶対またやるな。)

(乱入してやろ。)

(なんか翔太に見られてる……なんで…？)