雪が降る前に、【雪男】 (ページ25)

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「…なにこれ。」

ソファーの前で仁王立ちしてるしょーくん。

その先にはブランケットを肩にかけてるりょーくん。

「さぁ涼太。吐いてもらおうか。」

「この度は大変申し訳ございませんでした。」

「謝罪を聞きたいわけじゃねえんだよ俺は。まぁ、辰にぃ起こして照を怖がらせて、更に大にぃも起こして迎えに来てもらうことになったワケを話せ。」

しょーくんガチおこ。りょーくん一体何したんだろう。

「蓮やっと起きたんだ。」

「…おはよう？」

「もうおそようの時間やけどな。」

「何があったの？」

「俺たちもよく分かんないの。」

「ひーくん、何があったの？」

りょーちゃんがひかるくんに聞く。

ひかるくんはなんだか拗ねてる。

「…涼くん、昨日雨のなか傘もささずに裸足のままで外に出た。」

「「はあ！？」」

たつやくんとだいすけくん、それからしょーくんは何も言わない。

「涼太分かってんの？外に出たから熱が出てるし、足も怪我してんの。」

りょーくんの足を見ると包帯でぐるぐるにされていた。あと、確かに顔が赤い。

「ふーん…だんまり決め込むんだあ。俺、お前の兄貴だから分かるんだよなあ…」

そう言うと、しょーくんが出したのは白い紙。

よく見ると診断書、って書いてある。

「お前、その症状夢遊病なんだって？」

「むゆ、びょー？」

「寝てる時に動く睡眠障害の1つだよ。」

「お前、これを隠してた理由はなんだ？」

「……だって…また、ふえちゃったんだもん…」

なんだかりょーくんは幼くなった気がした。

まるで、しょーくんとりょーくんの性格が入れ替わったような感じ。

「はぁ。俺じゃ頼りないの？」

「たよりにしてるもん。」

「だったら俺に言えよ。」

「しょうたにめいわくかかっちゃう。」

「かけていいよ。俺、お前の兄貴なんだから。」

「…しょうた。」

「んだよ。」

「ねつあがった、かも。」

「はあ！？って、あっっつ！！！」

どうやら熱が上がったらしく、りょーくんはどこを見てるのか分からない。

「とりあえず今日は和室に運ぶかあ。」

「俺運ぶね。」

「ありがとな蓮。康二と真都は涼太の看病してやって。」

「「はーい！！」」

「大介、熱さまシート買ってきてくれね？あと色々。」

「りょーかい！亮平も行こっか。」

「うん。」

「俺怒ってるからな涼くん！！」

「熱が下がってから言ってやれ照。」

りょーくんは何故か「んふふ」って笑ってる。

熱、早く治してね。