雪が降る前に、【雪男】 (ページ20)

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○ ページ20

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「「かんぱーい。」」

カンっと音が鳴る。

ごくごくとお酒を口の中に入れる。

「っ、あーっ！！」

「なに久しぶりなの？」

「そうだねぇ…ずっとお芝居してたから。」

「俺、大介くんのお芝居全然見に行けてない…」

「にゃははっ。仕方ないよ、照も忙しいし。聞いたよ～？照今すんごい人気なんだってぇ？？」

「俺そんなの分かんないよ。」

久しぶりにこんなに話したなぁ。

俺はこの家で1番離れることが多く、色んなところに行っている。

ま、その分知名度も増したけどね！

「翔くん、今度大きいライブするんだって。」

「えぇ！？俺絶対チケット当てなきゃ！」

「あとね、亮平が涼くんに料理教えてもらってた。」

「お！すごいな亮平は！」

「なんでみんなそんな子供っぽいの？」

「それは照もだよ。」

雲が晴れて、月が見えた。

まん丸で、綺麗なお月様。

「照。」

「なに？」

「俺、家に居ないからさぁ…辰哉くんとか、涼太のこと。お願いね。」

「任せとけって。」

「照は頼りになるなぁ！！」

「俺はこの家の大黒柱だから。」

「おっ、照言うようになったじゃん！うんうん。それでこそ照だよね☆」

「え、うざ…」

「ひどっ！！」

(俺、大介くんのこと、本当にカッコイイ兄貴だって思ってるよ。)

(だからこうやって誘ったのにさ。)

(鈍感だね、大介くん。)

(お月様。このまま大介くんが鈍感でいるようにしといてくれよ。なんだか恥ずかしいから。)

(……ほんとは兄貴は気づいてるんだぞ…☆)

(…ありがとな、照。)