雪が降る前に、【雪男】 (ページ13)

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☆ ページ13

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今日、学校で嫌なことを言われた。

「深澤の兄貴って喘息持ってんだろ？」

「…え、急になに。」

「俺の弟が言ってた。カウンセラーの先生が薬持ってて、聞いたら喘息の薬だって。」

「それがどうしたの？」

辰哉兄ちゃんは好きで喘息になったわけじゃない。

亮平兄ちゃんや涼太兄ちゃんだってそうだ。

3人とも頑張ってるのに軽い気持ちで言われたのが凄いショックだった。

俺は兄ちゃんたちみたいな人たちを治すために医者になりたいから休憩時間を勉強に費やしてるんだ。

亮平兄ちゃんに教えてもらった勉強法。そっちの方が俺にあってるから。

「お前、ずっと勉強してるのって兄貴治すためなんだぁ。」

「…バカにしてるの？」

「いや、だって、治らないもん治そうとしてなんになるの？」

「うるさいなあ。邪魔しないで。そもそも、俺と君、全然仲良くないじゃん。」

「いやあ、ビョウキ持った兄貴もってるなんて、可哀想だなぁって思っただけじゃん。」

その言葉を聞いた瞬間プツリとなにかがキレた。

「訂正してよ。俺の兄ちゃんたちは可哀想なんかじゃないって。」

「はあ？？事実じゃん。」

高校生にもなってそんなこと言うだなんて…

「君の弟くんが可哀想だね。こんな失礼なお兄ちゃんもっちゃって！」

「やめろ深澤、」

「は？」

「それこそ事実じゃん！あれ、ちがう？？」

すると一瞬。

頬に痛みが走った。

「おいやめろって！！」

あ、殴られた。

俺もカッとなって殴りかかろうとするが、クラスメイトが俺と相手の子を止める。

「きゃあああ！！！」

「女子でもいいから先生呼んでこい！」

「お前らやめろ！！」

「お前らあっちいってろ！！」

誰かが先生を呼んでくれて、俺は保健室に連れていかれた。

なにも話す気になんて、なれなかった。