可愛いあの子は成蘭女子？【今日から俺は】

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「どう考えても伊藤さんでしょ！」

そういった明美に何人かが賛同の意を示す
あの京子もこの展開には付いていけないようで先程から白目を向いていた。

「どうします？伝えますか」

「何を…」

「アンタが惚れてんのは女装した男だって」

「…待て、それは伊藤さんの名誉にも関わる」

「何でっすか」

「女装してたのは軟高の伊藤さんでしたーなんて言ったら伊藤さんがまるで女装癖のある男だと思われるだろ！？」

「それは…」

無いだろう、とは言い切れなかった
何せやってきたのは"あの"紅高の生徒だ。特にでかい男は馬鹿番長で有名な今井だろう。
確実に言いふらす、例えそれが真実ではなくても

「どうするんすか」

「…女装した伊藤さん本人にフってもらえればいいんだ。そうすれば本人に振られたってことで詮索しないはずだ」

「ガバガバな作戦じゃないっすか？」

「大丈夫だろ、伊藤さんだぞ？」

とある一件以来伊藤に対して絶対な信頼を持っている京子は、伊藤なら絶対になんとかするという確信を持っていた。

「…京子さんがいいなら」

尊敬する京子に反論する気にはなれず、京子さんが大丈夫っていうなら大丈夫なんだろうとこちらもガバガバな認識で納得した。
2人は再び紅高生3人の前へたち、今本人は居ないから後日連絡すると伝えた

明らかに表情が明るくなったAに多少の罪悪感を抱きながら

「わかりました、態々ありがとうございます！楽しみにしてるっす」

「よかったなーA！」

「はい！」

高笑いしながら去っていく2人、残った谷川は京子達に謝ると慌てて追いかけていく



「なんか、すっごい可哀想に思えてきました」

「そうだな…」

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