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「なんで付いて来るんすか?」
「心配だからな」
待ちに待った放課後に踊り出しそうな勢いで教室を飛び出したAは昇降口から出た瞬間腕を掴まれ勢いを止められた。
少し前から待っていたらしい今井と谷川から一緒に行くぞと声を掛けられ文句を垂れるAを軽く叩けばすぐに大人しくなる
…力のある彼のは相当痛いのだが。
「はぁ早く会いたいな〜」
Aは能天気に鞄をブンブン振り回しながら歩くので危なっかしい。
当たれば谷川が代わりに謝り、絡まれそうになれば今井が制す。
流石に苛々してきた今井が一発殴ってやろうと拳を構えるが何とか谷川が宥める。
「これ終わったら一発入れよう」
谷川もこれには反対しなかった。少なからず谷川本人も一回だけなら殴られても仕方ないし、寧ろちょっとは殴られろと思ったからである
やっと成蘭についた頃には2人とも心身ともに疲れていた。
そんなことは露とも知らず、元気なAは無邪気に早川京子を呼びワクワクと待機している。
「アイツは犬か?」
「完全に主人を待つ大型犬ですね」
しばらく無言で待っていると、校舎の方から複数人のスケバンを引き連れたマブイ女がやってきた
「今井さん、あれが早川京子ですよ」
「可愛い…」
「ちょっ、Aくんが惚れてる相手ですよ?」
そうだった、と思い出した今井はAが一体どんな反応をしているのかと気になりチラリと横目でみた。
「?どうしたA」
首を傾げて悩んでいるA
視線の先にはしっかりとあの京子が居るというのにさっきまでのテンションは何処へ行ったのか、とても静かに目を見開き何度も何度も瞬きを繰り返す
「アンタがAさん?」
「あ、はい」
「私に用があるんだろ?」
「…あーっと」
歯切れの悪いAはオロオロと視線を彷徨わせる
様子を伺っていた2人と目があったAは、少し待ってくれと京子へ伝え2人の肩を取り小さな声で話し始めた
「あの子じゃないです」
「黒髪のスケバンなんだろ?」
「俺の天使ちゃんはもっと身長高いです」
「どうすんだよ」
「早川さんに聞けばいいじゃないですか。ほら、Aくん特徴伝えて」
「さすが谷川さんっすね」
再び京子の前に立つと意を決して、愛しのスケバンちゃんの特徴とその子を探していることを伝えた
「身長が高くて黒の長い髪、喧嘩の強い子って成蘭にいますか?」
「……え」
「俺その子に会いたくて…」
そういうと1人のスケバンがビックリしたように大きな声で叫ぶ。そして京子の腕を掴み少し後ろへ下がったかと思うと全員で円を作り何やら話し込み出した
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ハイキュー大好き!!(プロフ) - めっちゃ続きが気になります!!更新楽しみにしてます!! (2021年3月2日 7時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
奏菜(プロフ) - とても好きです!続きめちゃくちゃ楽しみにしてます!! (2020年8月13日 7時) (レス) id: acc6cf3fa0 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - 斬新な設定に最初は驚きましたが、すぐに物語に引き込まれてしまいました!2人はどうなるのでしょう、結ばれるのでしょうか…!続きが楽しみです! (2020年8月9日 17時) (レス) id: 72b9a547c8 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 伊藤くんと主人公がどうなるか気になります!! (2020年8月7日 23時) (レス) id: baa397239c (このIDを非表示/違反報告)
アホ犬 - うわぁめっちゃ好きです!!続き楽しみです! (2020年8月7日 1時) (レス) id: f5f8406621 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年11月11日 17時