可愛いあの子は成蘭女子？【今日から俺は】

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学校に着くなり谷川から何をどうやったのかと問い詰められ、連絡先を渡しただけだと正直に伝えると石のように固まり動かなくなった。
今井さんはわかるぞ谷川〜と泣いている始末

「もー！俺真剣なんすよ、あんなにドキドキする人今まで見たことない…」

これは運命なのだと力説するAの話を聞いていた2人だったが、谷川はふとAが話す女が噂で聞く早川京子の特徴と違うことに気がついた。

「Aくん、その子本当に成蘭の女？」

「え、違うんですか？制服来てたし校舎から出てきてましたけど…」

「黒髪で成蘭、さらに美女ときたら早川京子じゃないのか？」

「そうですけど、なんか引っかかるんですよね…もう一回特徴聞いてもいい？」

「勿論！白雪のように白い肌に映える美しい黒髪、すらっと長い手足を使った喧嘩はまるでランウェイを歩くモデルのように可憐でした！顔がしっかり見えなかったのは残念っすけど間違いなくあの子は俺の運命の人です…！」

祈るように手を組み天を見つめるA、駅前だったために周りにいた他校の連中が驚きヒソヒソと話し始める。居たたまれなくなった今井が未だに天を見つめているAの襟元を掴み引きずりその場を後にする。

「彼女が俺の天使…」

「らしいぞ谷川、何かわかったか？」

「……うーん」

「はぁ、考えるだけで胸が痛い…」

相当惚れ込んだらしく、話しているだけで頬を紅潮させニコニコと幸せそうに笑うAは胸を押さえながら歩き出した
はたから見たら奇妙な光景も紅高内ではAだから仕方ない、なんてスルーされる。

「谷川よォー」

「なんすか？」

「Aに彼女できたらサミシーなァ」

「…そっすね」

周りを見ていなかったせいで先輩にぶつかり怒られるAを見ながら、この愛すべき馬鹿の行く末がどうなる事かと考える2人だった

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