14その1 ページ16
不機嫌そうに放り込まれた植木から目を覗かせ様子を見ていた三橋だったが、並んで座る2人の雰囲気からどうやら会話の雲行きが怪しくなってきていることを感じ取った。
野生の勘というものだろうか
(…本当に手のかかる奴だ)
あまちゃんなのだ、伊藤は
パムの残りを口へと詰め込みコーシーで無理やり流し込む。両手の空いた三橋は視線を地面へとやり足元に転がる砂利をかき集め始める
そうして集まった小さな
気を逸らせば走って逃げる事もできるだろうと考えての行動だったのだが、少し狙いが外れてしまい相棒の被る黒髪の鬘から数本黒い繊維がハラリと散り落ちたのが視界へ入る。直に当たらなかっただけマシだろうと思い直した三橋はそのまま植え込みを可憐に飛び越えて堂々と2人の前へ姿を晒す
びっくりしているでかい男と(どう見ても女には見えない)伊藤
小石を手中で遊ばせながら相手をバレぬようじっくりと観察する。
男の扮したでかい女にゾッコンラブな馬鹿野郎は先程までデレデレと緩んでいた顔とは似つかない形相で目を細めている三橋を睨む
まるで獲物を狩らんとばかりに爛々と燃える目は今まで喧嘩した相手の中にはいなかった。背筋をぞわりと悪寒が走る
そもそも今日からツッパリなので喧嘩数は片手で数えられる程度なのだが。
まさか此処まで怒るとは、内心怯んだ三橋だったが軽く咳払いをしてもう一度─今度は伊藤に当たらないように、と配慮して─小石を投げつける。
驚いている伊藤にアイコンタクトをとってみる、やはり伝わらなかった
「アンタ誰っすか」
顔に似合わず低くく鳴る声色に怒りを滲ませた馬鹿は伊藤に飛んだ小石を払い守るように立ち塞がる。180はある三橋より頭一つ分ほど大きな男は筋肉もそこそこあり、まるで壁のようだ。癪に触るがソイツを見上げ真っ向からその目を睨みニヤリと口を歪めた三橋はいつもの調子で煽る
「あ?俺を知らねーのかョ。それも仕方ねーか…今井のバカは俺にゃ勝てねーもんな」
態とらしく煽り、1人でうなずいて見せる
大抵の男はこうすれば乗ってくるものだ。
勝てない、とは言ったが今まで一度も今井とは真剣勝負の喧嘩をしたことはない。やったとしても天才である俺が負けることはないだろうケド
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ハイキュー大好き!!(プロフ) - めっちゃ続きが気になります!!更新楽しみにしてます!! (2021年3月2日 7時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
奏菜(プロフ) - とても好きです!続きめちゃくちゃ楽しみにしてます!! (2020年8月13日 7時) (レス) id: acc6cf3fa0 (このIDを非表示/違反報告)
夢子(プロフ) - 斬新な設定に最初は驚きましたが、すぐに物語に引き込まれてしまいました!2人はどうなるのでしょう、結ばれるのでしょうか…!続きが楽しみです! (2020年8月9日 17時) (レス) id: 72b9a547c8 (このIDを非表示/違反報告)
あゆ(プロフ) - 伊藤くんと主人公がどうなるか気になります!! (2020年8月7日 23時) (レス) id: baa397239c (このIDを非表示/違反報告)
アホ犬 - うわぁめっちゃ好きです!!続き楽しみです! (2020年8月7日 1時) (レス) id: f5f8406621 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2019年11月11日 17時