信頼|フェリシアーノ ページ33
好きな漫画を参考にさせて頂いてます。
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俺は誰からも頼りにされることは無かった。兄ちゃんにだって頼りにされない。唯一頼ってくれたアーサーだって、俺の説明がよくわからないと言ってすぐに去って行ってしまった。
大体俺は、人と関わることは得意だが、役に立つことは苦手だ。すぐに逃げ出すし、泣く。ルーイにも、キクにも少し残念がられた。
そんな俺を、一心に頼ってくれたのは彼女だった。
「あなたしかいないの、お願い」
潤んだ瞳を此方に向け、俺の手を包む彼女。先程の言葉が脳で再生される。
彼女の言動は、俺の心を撃ち抜くのには容易いものだった。
___期待してくれている。
俺はその期待に答えるんだ、と一人密かに決意をした。目の前の彼女は申し訳なさそうな顔をし、相変わらず潤んだ瞳を此方に向けていた。
「うん、俺ならできるよ!」
えへへ、頼られたことってあんま無かったから…。そう言えば、彼女は『あなたも苦労しているんだね』と寂しそうに言った。
俺は彼女に言われた通りあの女の子を殺した。Aちゃんはあの子にいじめられてたみたい!
決してバレることのないように、完璧に埋めてやる。犯罪に手を染めたにも関わらず俺の頭は愛しい彼女のことでいっぱいであった。
一瞬、殺した子の顔が脳裏に浮かぶ。本当に良いのか、と良心が訴える。それを必死に無視し、俺はあの子を深くまで埋めた。
『ありがとう!』と今度は嬉しそうな涙を浮かべた彼女に違和感を覚えるも、無視をする。彼女に再度心を抉られた。
彼女に頼りにされる度に、俺は真剣にやった。真剣にやればやるほど、増えていく彼女の笑顔。
もやりとした心を抑えつつまた今日も彼女に従う。
「なんだろう、なんか、フェリシアーノくんならできそう。」
「…うん。もちろん。俺ならできるよ。どんなことをしても、Aちゃんを絶対に救ってみせるからね!」
Aちゃんには、俺しかいないんだ。
瞳に薄暗いハートを浮かべた男はそんな男に期待を寄せる女に寄り添った。
女は不安そうな瞳を浮かべつつ、まじないのように男へ言った。
「フェリシアーノくんしか、いないの」
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凩(プロフ) - キモオタク(新)さん» 一気読み…!?ありがとうございます…!嬉しいです、励みになります… (2023年2月11日 21時) (レス) id: 6676e97410 (このIDを非表示/違反報告)
キモオタク(新)(プロフ) - いやぁぁぁ一気読みしてしまったぁ!!神作品をありがとうございますぅぅ!! (2023年2月7日 22時) (レス) @page45 id: b2377fe342 (このIDを非表示/違反報告)
凩(プロフ) - チュッパチャップスって美味しいよねさん» リクエストありがとうございました!取り合いではないような気がしますが見逃してください… (2023年2月3日 22時) (レス) id: 6676e97410 (このIDを非表示/違反報告)
チュッパチャップスって美味しいよね - リクエストいいですか?!ぽん娘さんとメリ娘の取り合いできますか? (2023年2月1日 3時) (レス) id: 7e47203457 (このIDを非表示/違反報告)
マダイ(プロフ) - リクエスト書いてくださりありがとうございます!!可愛すぎて、可愛すぎてもう…。本当にありがとうございます😭 (2023年1月29日 10時) (レス) id: 270caf1a2f (このIDを非表示/違反報告)
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