【APH】おくにとともに【短編集】

救済|菊 ページ15

リベンジ。


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彼女を誘拐した。誘拐とはいっても、身代金が欲しい訳ではない。私はベッドで鎖に繋がれ眠る＿気を失っている＿彼女の髪を撫でた。そんなことをしている暇なんてないのだが。

急いで部屋の隅とベッドの脇に小型監視カメラを設置し、その場から去った。私が彼女の救世主になるために。



















起きたら何もない部屋の中でした。
どこかのラノベ小説なんかでありそうだな、と呑気にぼやける頭で考えながら情報を整理する。四肢には枷がついており、身動きがとれない。誘拐。その単語が脳にすとん、と落ちた。

だからといって、気を失う前のことなんて覚えていないし、私はどうすることもできなかった。














おなかすいたなぁ、誰か助けてくれないかなぁ、そうぼやいても誰も来ない。ましてや誘拐犯だって来なかった。
どうにかなってしまいそうだった。空腹だし、部屋は埃臭いし、暗いし、誰も来ないし、何もできないし。私の人生はここで幕を閉じるのか。ぼやける視界の中で私は再度意識を飛ばした。



















「＿さん、Aさん、」

「ぁ……………」










目を開けると未だ暗い部屋。だが今回は違う点があった。本田さんがいたのだ。何故？彼が誘拐犯？助けに来た？色々と考えるも数日放置されていたであろう私は限界を迎えており、彼に体を預けることしかできなかった。




「助けにきました。大丈夫でしたか？ああ、もう。何てことをしてくれたのでしょう。
…Aさん、一緒に帰りましょう。」









薄れゆく意識の中で捉えたのは冷えた私の手を握る彼だった。救世主、っているんだなぁ。そう思いながら瞼を閉じた。


















女を誘拐をした男は、青白い女を抱え、不気味に笑みを溢した。暗い瞳は女をしっかりと捕まえていた。

初対面|勇洙→←いつも通り|ポルトさん(リク)

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