私の中のキムテヒョン3

101【JK】 ページ5

「嘘・・・ですよね」





「嘘みたいだけど、嘘じゃないんだ」





ちょっとした男女の修羅場を見たと思ったのに、まさかの出来事が起きている。





「ジョングガァ」





ちょっと間延びした呼び方。そんな呼び方をオレにいつもするその人物をオレは良く知っている。





「だってこの人、ジンヒョンのタイプぴったりだし、ただオレ達のいない間に宿舎に連れ込んでただけですよね？」





「ジョングク、変なこと言うのほんとやめて。テヒョンだけど、テヒョンだけじゃないから」





「ジョングガ」





ジンヒョンがわけのわからないことを言って、女性がまたオレを呼んだけれど、怖くて目を向けられない。





「お前ならわかるだろ、お前が一番テヒョンにくっついてたんだから。オレも確証を持ったのはさっきだけど」





そう言われて恐る恐る女性の方に目を向けると視線が絡んだ。ジンヒョン好みの綺麗で可愛い感じの姿。静かで、でも吸い込まれそうな瞳。じぃっとこちらを見てくるその瞳。全然違うのに、色も形も全然違うのに。極めつけにぺろりと下唇を舐める仕草。





「・・・ヒョンだ」





認めてしまったらもはやそうにしか見えなくて、ぽつりと漏らしたら、『ヒョン』がもう一度「ジョングガ」と嬉しそうに笑った。

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