113【TH】 ページ17
黒いスキニー、黒いフーディ、黒いキャップ。
一瞬目を疑ったコーディネートは偶然にも今日のAさんと同じ。
「ジミナ・・・」
いつもと同じ優しい笑みを浮かべるオレの親友にあまりにも当たり前みたいに名前を呼ばれたことに驚いていると、ジミンはなんの躊躇もなくオレの横に座って、まじまじと目を覗き込んできた。
「はは、ほんとにテヒョンイだ」
そうやってなんでもないことのように笑ったけれど、その目が真っ赤になっていることに気付いて、オレも目が熱くなる。
「ジミナ！」
ぎゅっと抱きつけば、ジミンもオレの肩に顔をうずめて硬く抱きしめてきた。その背中が小刻みに震えている。
「テヒョン・・・この馬鹿」
「うん。ごめん、ジミナ」
前より少し骨ばった気がする親友の背中をさすりながら、オレ達はしばらく言葉もなく抱き合った。
「テヒョンがずっと目を覚まさなくて、だからこそずっとテヒョンに側に居て欲しかったのに」
ジミナ。唯一無二のオレの親友。辛い時はいつだって側で支え合ってきた。その気持ちが痛いほどわかって、涙声のジミナに心が軋むように痛んだ。
「うん」
もう一度そう言って手に回していた手に力を込める。ジミンの香水の匂いに包まれると、まるですべて夢だったんじゃないかとすら思ったけど、しばらくして体を離したジミンの瞳に映るのはやっぱりオレではなくて、Aさんだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1985人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Couldbe(プロフ) - monさん» コメントありがとうございます。お返事遅れてスイマセン💦ようやく更新しましたので続編もどうぞよろしくお願いします。 (2022年8月9日 17時) (
レス) id: 451ed8da22 (このIDを非表示/違反報告)
Couldbe(プロフ) - あみさん» いつもありがとうございます。続編作りましたのでよろしくお願いします。 (2022年8月9日 17時) (レス) id: 451ed8da22 (このIDを非表示/違反報告)
mon(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています！更新楽しみにしています！！！ (2022年8月4日 16時) (レス) id: 2405002688 (このIDを非表示/違反報告)
あみ - 更新ありがとうございます。とっても嬉しいです。切なくて泣いてしまいました。これからも楽しみにしています。 (2022年7月7日 21時) (レス) @page48 id: 1af90d72a0 (このIDを非表示/違反報告)
Couldbe(プロフ) - もかさん» コメントありがとうございます。私もリアルが忙しすぎて更新できず・・・っ！ (2022年7月7日 18時) (レス) id: 451ed8da22 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Couldbe
| 作成日時：2022年5月8日 17時
