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次にメイクの為にドレッサーに座ると、思い切りボタンを掛け違えていて、キムテヒョンがからかうように笑った。まったくもって腹立たしい。








(オレが左手でやってあげるから変わって)








癪に触ったけれど、もう一度着替えるのも面倒で素直にその申し出に応えて意識を交代した。








掛け違えたボタンを外してもう一度留めて行く。







ただそれだけの仕草なのに。







(なんでそんなにいやらしいの)








見慣れた自分の指がボタンを留めているだけなのに、嫌にその仕草が艶めかしいのだ。








「そう?」








しれっとキムテヒョンはそう言ったけれど、絶対に確信犯だなと思う。









「このまま化粧もしてあげようか?」









鏡の中の私はどうみたって私なのに、にっこりと笑うのは、絶対に私じゃない。








(自分でするから戻って)








「だって、右手が使いにくいんじゃ、化粧もしにくいでしょ?」








そう言って彼は慣れた手つきでメイクをし始める。









(ちょっと!)









「いつもメイクしてもらってるから、大体の要領はわかるから任せてよ」








どうしたものかと思ったけれど、実際右手が不自由なのは確かだから、しぶしぶそのままキムテヒョンに任せてみることにした。









「マスカラ・・・は付けないからよくわからないけど、これでいいの?」









本当はビューラーをするんだけれど、さすがに慣れていない人のビューラーは怖いなと思って黙っておく。








「Aさん、可愛いね」








にこっと笑う鏡の中の私は、いつもとは少し違うメイク。だけれど、言うだけあって、なかなかの腕前だと思う。



セミロングの髪もブラシで綺麗にといてくれた。









「できた」









そう言うと、ふっと元に戻る。


鏡にはいつも通りの表情の私が、いつもより少し綺麗に見えた。









(うん、いいね。可愛い。さ、Aさん、笑ってみて)









面白がってキムテヒョンが言うから、本当はお礼を言おうと思ってたのに、私は鏡に向かって思い切りべっと、舌を出した。

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Couldbe(プロフ) - もかさん» 感想ありがとうございます。2の方を更新しましたので、良かったら読んでくださいね〜 (2022年1月19日 15時) (レス) id: 451ed8da22 (このIDを非表示/違反報告)
もか(プロフ) - 話の展開が面白くてどうなるんだろうってワクワクしながらみてます!応援してます! (2021年12月27日 0時) (レス) @page50 id: 8c35ae2d8a (このIDを非表示/違反報告)
Couldbe(プロフ) - satomiさん» わぁ、嬉しいお言葉ありがとうございます!楽しんで頂けるように頑張ります♪ (2021年8月9日 19時) (レス) id: 451ed8da22 (このIDを非表示/違反報告)
satomi(プロフ) - 話の展開が好き過ぎます、、応援してます!!無理せず頑張ってください! (2021年8月9日 18時) (レス) id: c25e6e0749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Couldbe | 作成日時:2021年8月1日 18時

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