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「平穏で、平和で､おだやかなのが少し許せない。刺激が欲しいの」
平坦な道なりなんてただ歩くのではつまらないのと同じだ。
このままいけば、私はジュリエットのようにどこかのお偉いさんか、名家のお坊っちゃんと結婚させられる。別に私はそれを悲劇だとは思わない。そうすることで家の名誉は保たれるし、私も不自由なく暮らせるのだから。
ガーデニングをして、お茶会をして、子供を産んで、子供を育てて、そして、老いて死んでいく。
誰にも邪魔をされない平穏が約束されているのだ。
しかし、私はそれがつまらない。どうにもこうにも、つまらない。
「ねえ、貴方の国ってあの我々国でしょう？」
爪をいじくる手が止まる。どうやら図星のようだ。
「私の家を舐めておられたのかしら？情報網はそこらとは違うわ」
我々国。それは最近力をつけ始めている新しい国だ。今はまだ大々的には注目はされていないが、その功績は中々のものだ。
ある男が一代で作り上げ、十数名の幹部で成り立っている新興国。暗殺部隊から親衛隊、軍備は整っており、経済体制も磐石なようだ。
残念ながら資料室に書いてあったのはこれくらいで、実態はまだ分からない。けれど、戦績は上々で、短期間の間に３つの国を傘下に入れている。
あの日泥棒が忍び込んできた時に見た、ナイフの刻印。その泥棒のナイフに刻まれた刻印が、その国の紋章であったことから私は推測を立てたまでで、泥棒故に盗んだものかもしれない。
そんな奴に私はなんて頼み事をしようとしているのだろう。今だってあのナイフで刺されてもおかしくないはずなのに。
でもそれが心踊るのだ。
「それで、提案があるの」
どうやら私の神経は平穏によって馬鹿になったらしい。
ギラリと光るナイフに目を奪われる。私の喉仏へとつき出されようとするそのナイフには、やはりあの国の紋章が刻印されている。
「私を貴方の国へ連れてって」
.
なんとか更新をしようと思って小出しで申し訳ないでが、まだ一話分続きます。
ありがたいことにちょっとずつお気に入りがふえていって、画面に向かってニマニマしています
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コットンの森(プロフ) - トクメイキボウさん» 嬉しいお言葉に心臓がぎゅっとなりました。純粋に嬉しくて何回もコメントを見返しちゃいます。無い文才を捻り出した甲斐がありました。短編は長編が終わり次第再開が出来ればと思っています。お読み頂き、そしてコメントありがとうございました！ (2019年3月31日 17時) (
レス) id: c3504fefeb (このIDを非表示/違反報告)
トクメイキボウ - コメント失礼します。完結おめでとうございます。実は貴方様の作品を以前から拝読させていただいておりました。貴方様の創る世界観が大好きです。短編集が終わるのは悲しいですが、長編の方も引き続き応援させていただきます。頑張ってください。コメント失礼しました。 (2019年3月31日 16時) (レス) id: 9fdc769b3d (このIDを非表示/違反報告)
コットンの森(プロフ) - パピヨンloveさん» しばらくログインしていなくて今しがた気づきました…。返信遅くなって申し訳ありません。題名は｢かくかくのさいじょ｣と読みます。赫赫で赤々と光輝く様や、業績や名声が輝かしく現れる様などの意味があります。個人的にそういう女性が好きなので題名につけました。 (2019年3月10日 12時) (レス) id: c3504fefeb (このIDを非表示/違反報告)
パピヨンlove - 読んでいて、凄いと思いました！！これからも頑張って下さい！！ちなみに、題名ってなんて読むのでしょうか？ (2019年2月16日 14時) (レス) id: d07448dafe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：コットンの森 | 作成日時：2018年9月20日 0時
