君のヒロインになるためには (ページ2)

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Ep .2 ページ2

『───あの、！』

雨も本降りになってきてどうしようかと考えていれば、後ろから可憐な声が聞こえたっす。

「おっふ！？！？」

振り向けば、思わずその言葉が飛び出るほど

とても可愛らしい女性が傘を差していて。

･･･いや本当、超可愛いなオイ！？

え、鼻血出てないっすよね…？

『これ、良かったら使ってください･･･！』

「え？」

彼女は俺に、花柄の傘を差し出していて。

「いや、でもそしたらあなたが･･･」

『折り畳み傘、持ってるので！』

と、鞄から青色の折り畳み傘を取りだしたっす

『･･･あ、こっちの方が良いですかね』

「いやそうじゃなくて」

『･･･？』

２,３歩、俺に近付いて傘を渡してくれたのはいいんすけど

「借りても、いいんですか？」

『もちろん！
困ってそうだったので声掛けちゃったんですけど、迷惑でしたか･･･？』

「いえ全く！全然そんなことないです！！」

『良かったです。
じゃ、用があるので私はこれで！』

そう言ってパタパタと走っていく彼女の後ろ姿は、とても輝いて見えたっす。

「────って名前聞き忘れたァァア！！！！」