１１.唐突に、獰猛に ページ12
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「餓鬼、昼間の‥‥！」
ジンが私の事をしっかりと認識する。あぁ、もうだめだ
ここで大人しくしてなくちゃならないと分かっていたけど、私の防衛本能は忠実だった
無我夢中になって鉄パイプを避けようとする。その時の私は、完全に工藤新一ではなかった
私の頭は、この十何年自分が工藤新一になるための色々な努力を思い出して、その努力をこの一瞬で泡にしたことを知った
残忍な敵意の踊るジンの瞳と目が合う。
その時、頭がぶわ、と冷静さを取り戻した
何も言わずに私の頭は本能を押さえつける
ジンに対して臨戦体勢をとっていた私の拳がするりとほどけた
私の理性は本能に勝った
それを見たジンが、私の方に大きなスライドで寄ってくるのを呆と見ていた
何故か、何からも逃げ出したくなったのだ
再び音の消えた世界で、ジンが私に鉄パイプを振り上げるのを、今度こそ素直に受け入れようと心のどこかで決めていた
不自然に頬が冷たくなったけれど、無視した
唇だけが妙に曲がって、後は無表情の私がボロボロ涙を流しているのに、ジンは多少ぎょっとしたようだったけど、鉄パイプを振り下ろす手に迷いはなかった
＿＿＿ガッツン
鈍い衝撃。一瞬白くなった視界。激痛
口の中いっぱいに鉄の味が広がり、私は崩れ落ちた
「兄貴、こいつ昼間の‥‥！」
「妙な餓鬼だぜ。気味が悪い‥‥とっとと殺るぞ」
そんな会話を遠くに聞きながら。口に無理矢理押し込まれた錠剤の感触を感じながら
あぁ、結局こうなるなら逆らう必要なんてなかったのに
異常に冷静になった頭は、虚しさだけを弾き出した
その内、骨の髄が溶けるように熱くなってきて、自分の身体がシュウシュウと煙を立てる
生まれて初めて工藤新一であることに逆らってしまった虚無感に、眼は虚ろで
死ぬほど苦しい感触を味わいながら、私の意識はそこで途切れた
＿＿＿＿＿＿
＿＿
＿＿ねぇ、大丈夫だよ なかないで
＿＿＿＿ないてないッ！
初めの頃は良く失敗をした
それでも意地張って、下らない意義にしがみついてた
＿＿＿ないてないッ！ ないてないったら!!
笑いたきゃ笑え
その頃
あの子にはまだ"私"が見えていた
(遠い、遠い。葬った話)
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りんず(プロフ) - 湊銀さん» すっごく嬉しいお言葉ありがとうございます！私には勿体ないです‥‥これからも好きと言って頂けるような作品を作れる様に頑張ります！ (2018年12月6日 7時) (
レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
湊銀(プロフ) - とても、好きです・・・(急にすみません、あまりにも好きすぎて語彙力決壊しました) (2018年12月5日 22時) (レス) id: 29f5c1bd3d (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - もち。さん» 私も好きです‥‥(突然の告白返し (2018年12月5日 18時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 好きです…((突然の告白 (2018年12月5日 17時) (レス) id: 06ef4b6d18 (このIDを非表示/違反報告)
りんず(プロフ) - 黒い通行人さん» 黒い通行人様、コメントありがとうございます！ そうですね、読みはそのままになります！有希子さんが押しきってこの名前にして、よく名前だけ聞いて男に間違えられるという裏設定があります。これからも更新頑張りますので楽しんでもらえたら嬉しいです！ (2018年10月10日 15時) (レス) id: f93fc47876 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんず
| 作成日時：2018年10月9日 20時
