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｢どうかしたんですか？｣
｢安室さん！！聞いてください！
実は伊達刑事とAさんが遂に結婚するんです！！｣
｢……ほう、｣
『断じて違います！！！！！』
頼むから話を聞いて梓ちゃん！！
私は結婚しないし、彼氏もいないから！！！
だから安室さんはその手に持っているヒビの入ったコップをゴミ箱に片付けて来て！！
慌てて説明をしたら落ち込んだように項垂れる梓ちゃんとは対照的に彼から漂っていた黒いオーラが少し薄まっていく。
すると、思いついたように起き上がった梓ちゃんは顔を輝かせてじゃあ、とこちらを見てくる。
｢安室さんなんてどうですか？｣
『え』
｢ほらAさんのタイプって優しくて笑顔が絶えないハイスペック男でしたよね！
それなら安室さんがぴったりじゃないですか！！｣
『……言ったけど、』
それはただの彼氏にしたい理想像なだけであって。
安室さんを彼氏にしたいという訳では決してない。むしろ一番関わりたくない男ダントツナンバーワン。
｢僕は大歓迎ですよ｣
｢あら安室さんもしかして…｣
『丁重にお断りさせていただきます。』
｢あんまりからかってやるなよ｣
｢本気ですよ｣
嬉しそうな梓ちゃんにいらない含みを持たせた笑みを見せた後、くすくすと貼り付けたような王子様スマイルでこちらを見てくるけど完全無視してココアを飲めば、昔から零が作ってくれるミルク多めの甘い味が口いっぱいに広がった。
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作者名：來夢
| 作成日時：2021年12月6日 0時
