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『ええ？結婚式の挨拶？？』
｢そう、お前にやってもらいたいと思ってさ｣
『そういうの得意じゃないし、…萩原とかが適任じゃない？』
｢んー、あいつは余計なことまで口走りそうだからな｣
警察学校時代にやった悪事とか？と冗談ぽく言えば、バツが悪そうに頬をかく班長。
まあナタリーさんにお聞かせすることの出来ない問題行動を萩原がバラして晴れ舞台をぶち壊してもいけないし、｢ナタリーもお前にやってほしいみたいだし｣と言われてしまえば断るという選択肢はない。
｢ええ！？伊達刑事結婚するんですか！！｣
｢おう！もしよかったらお嬢ちゃんも来てくれよ！！｣
梓ちゃんが血相を変えてこっちに来たと思えばおめでとうございます、と興奮気味に拍手をする姿は天使そのもの。
梓ちゃんからはマイナスイオンが出ているのかってくらい癒される。
ごりごりと削られたメンタルを回復していると｢へえ、｣と猫なで声のような敬語口調にぞわわと鳥肌が立つ。
ぎぎぎ、と顔を動かすと両手に皿を持った安室さんがにこやかに笑いながら目の前にハムサンドとドリンクを手際よく置いていく。
｢ご結婚おめでとうございます、伊達刑事｣
｢……おう、サンキュー。｣
『よく班長の名前がわかりましたね』
｢先程Aさんがお名前を呼んでいるのを聞いたので｣
『さん付けで呼んだことなんてないくせに…』
｢……｣
というか、私班長の名前なんて1回も呼んでないんだけど。
じと、と睨みつけながら聞こえないように小さく呟けば一瞬だけ真顔になった安室さんの顔がもう絶対零度のように凍えきっていて恐怖でしかなかった。
聞こえてたんですか〜…。
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作者名：來夢
| 作成日時：2021年12月6日 0時
