【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た

File.03 / 出会いは必然 ページ9

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｢え、？｣


『？』







日曜日の昼下がり。

久しぶりの休暇に家から出ないでずっと寝ていようと計画を立てていたけど、冷蔵庫を開けたらわさびチューブとチューハイのみ。



仕方なくスーパーへ買い物に出かけたのだけど。






『どうかしましたか？』


｢い、いや…なんでもないです｣






買い物を済ませた帰り道。なんとなく入ったカフェには小さな雑貨コーナーがあって、自分好みの物をたくさん見つけて自然と長居をしてしまう。





ココアをお代わりしている間また店内をうろちょろしていたら、全く面識のない男の人にぎょっと5度見される。


ん？どこかで会った人かなって思ったけど。
髭を生やしている知り合いなんて目暮警部しか知らないし。

記憶力は良いし、1回会った事があるならなんとなく覚えてることが多いんだけど。うんと頭を捻っても全く思い出せない。







けど、……。






『……前にどこかでお会いした事がありますか？』



｢いいえ、初めてお会いましたけど｣







なんでだろう。
なんでこんなに懐かしく感じるんだろう。


この人の近くにいるとすごく安心するっていうか。
凝り固まった心が優しく解れていくような、そんな感覚。






『そうですか』





失礼しました、なんて言って彼の傍から離れてまた店内を練り歩いていたらゴーンと夕方を知らせる鐘が鳴り響く。








あ、もうこんな時間だ。
早く家に戻らなきゃ、録画し忘れたドラマが始まっちゃう。




少し冷めたココアを一気に飲み干して、さっき買った手帳を鞄に閉まってお店を出た。








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