【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た

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｢まあそれは冗談なんだけど｣


『……騙された』


｢嘘が下手すぎなんだよ｣


『いてっ！暴力反対！！』






くすくす口を抑えて笑う萩原からおでこに結構強めのデコピンがお見舞いされる。

まだジンジンするんだけど。これ赤くなってない？


おでこを抑えてギロっと睨みつければいつものようにごめんごめんと笑いながら謝ってくるから目を合わせないように顔を逸らす。







｢でもさ、じんぺーちゃんにキスされるとか無防備すぎるんじゃない？｣


『いや、あれは不可抗力というか……なんというか』


｢ほんと？じゃあ……｣






その言葉とともに視界が暗くなって、萩原の顔がすぐ上にグイッと現れる。慌てて距離を取ろうと後ずさりしたら、直ぐに背中が壁にくっつく。


あ、やばい。


数センチ離れた距離を全て縮めるように、整った顔が近づいてくる。





｢これでも無防備って言える？｣





顔の横には細くも程よく筋肉のついた腕があって、足の間には割り込むように萩原の足が入っていく。





｢ねえ、逃げないの？｣






いつものへらへらした笑顔とは違う、色気のある鋭い視線が突き刺さって彼の長い前髪が鼻をくすぐっていく。

目を逸らそうと顔を動かせば、｢こっち見て｣と甘い声と手のひらが頬を包んで身動きが取れなくなる。




親指が唇を優しく撫でれば、もう片方の手で指を絡みとられてグイッと身体が引き寄せられていく。







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