【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た

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『はっけーん』




隣の車線からぴったりと張り付いてスピードを合わせて並行に走行する。

すると、黒塗りの車は慌てたようにアクセルを踏んだけど、もう遅いよ。





｢道路工事で渋滞してる…｣


『もう今度こそ逃がさないからね』





さっき実家に来る途中通ったとき、工事のために片道通行をしてたんだよね。だからこの先は通ることが出来ない。

捕まらないように後を追いかけてたのなら、周辺の道路状況くらい把握しとかないと。





逃げ道を作らせないように、車線ぎりぎりに車を右に寄せた。





『っ！！！』


｢ッ！頭がッ！！｣





……つもりだった。



ガンッという衝撃が車内に走る。

今ので車のハンドルが持っていかれて、路肩にタイヤが凄い音で接触する。頭を窓ガラスに打ちつけたせいでじんじんと鈍い痛みがくるけど、温かい感触とかはない。大丈夫、血は出てない。


慌てて持ち直して顔を上げれば、マークしていた車は赤信号を無視してクラクションを鳴らしながら交差点を猛スピードで走行していく。





『チッ、思いっきり当てやがって！』





やってくれたな。

運転席の前をぺちゃんこにしてくれちゃってさ。
先週納車したばかりなんだけど。


しかもスピードを落とさないまま交差点に突っ込みやがって。危うく事故って怪我人が出るところだったわけで。





『あー、ムカつく』





ここは埼玉県じゃなくて管轄外だから、あんまりしたくなかったけど。
放っておけば市民にも危害を加えかねないんでね。

目暮警部に大目玉食らっちゃうな〜。
……始末書だけで済むといいけど。






『緑川さん、サイレン鳴らして』


｢えッ……｣










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