【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た

File.07 / 壊滅的エンカウント ページ31

･








｢久しぶりに会ったかと思えばお前は……｣


『あはは！ごめんごめん』


｢ったく、……どうすんだよこれ｣


『んー、班長助けて』


｢他人任せかよ…｣






ガクッと頭を抱えている班長に苦笑いしか出来ない。

たまたま鞄に入っていた爪楊枝を渡したら｢そこは気を使うのか…｣とまたため息を零された。






目の前に広がる光景は、新車のRX−7が大破した姿。
車体の側面ははぺしゃんこになってフロントガラスは辺りに飛び散っている。




あーあ。
先週納車したばかりなのに。








｢まあまあ、Aさんも悪気があったわけではないし…｣


『うう、緑川さーーーん』


｢でも死ぬかと思いました｣


『……面目ない、』






あの時を思い出したのかうぷ、と青い顔で口を抑える緑川さんの背中を優しくさすっていたら｢大丈夫だから！！！｣と慌てて離れていく。






｢というか、何があって新車が一瞬にして廃車になってんだよ｣


『いやー、頭に血が登ったと言うか…』


｢ちゃんと言え。じゃないとあいつらにも報告するぞ｣


『……ウッス』







腕を組んで仁王立ちする班長の背中には馬頭観音が見える。

これは正直に言わないと、本当に松田と萩原にチクられちゃう。最悪零やヒロにも……。




全員からの説教だけは警察学校にいた頃のあの1回だけでもう懲り懲り。

……仕方ない、腹をくくろう。
班長の圧にびくびくしながらゆっくりと時間を遡る。







･

･→←･

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す