【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た

File.06 / 探偵団 vs 強盗団 ページ21

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『んー、手持ちがない』




雪の降る東都。

半休を貰えた今日、友達と東都で会う約束をしていたのだけど急な仕事が入ったみたいでドタキャン。


連絡が来たときには近くまで来ていたし、せっかくだから1人で買い物でもしようと思って財布を開けば、最近バイクの部品を買い換えたから中身はすっからかん。







仕方ないから銀行で金を下ろそうと来た道を戻る。




『いっぱいいる、』




銀行に入れば同じようにお金を下ろす人がたくさん。
これは時間かかりそうだな、なんて思いながら先にトイレから済ませようと人だかりをすり抜ける。







『！？』






個室から出て手を洗っていたら近くのほうでパンッという音が鳴り響いて、反射的に身をかがめる。




……銃声。

もしかして。






そろっと女子トイレから外に出て音を立てないようにフロアへと近付いていく。


途中で大股で歩く人影を見つけて死角に隠れる。
犯人かな、と様子を伺っていると見た事のあるストレート髪のシルエットがこっちに向かってくる。






あれって……。






『ねぇ、』


｢ひっ！って、…Aちゃ、っん！？｣


『しーっ！！』






後ろから肩をぽんと叩けば悲鳴をあげそうになるので慌てて口を塞ぐ。人差し指を立ててジェスチャーをすると壊れた人形みたいにこくこくと頷く萩原。







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