【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た

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ギシッと軋む床。

上へ上がる階段はボロボロに錆びていて、今にも穴が出来て落ちそうなくらい脆くなっていた。


1歩1歩音を立てないように、壊さないように慎重に足を進めていく。






｢わーん！！！｣


｢うるせえ！！！黙れっつってんだろ！！！｣






2階の突き当たりにあった部屋からは大きな怒鳴り声と泣いている声が聞こえてきて、ぎゅっと拳を強く握る。

すると肩にぽんって手が置かれて、零がわしゃわしゃと頭を雑に撫でる。




きっと落ち着けってことなんだろうな。

零に触られたら不思議と簡単に力が抜けていく。





ありがと、と口パクで返すと片方の口角だけ上げて乱れた前髪を整えてくれる。鼻先に当たる指から伝わる体温がじんわり心をあっためる。







｢行くぞ…｣


『うん』





こっそりと犯人の前と後ろに回って何かがあっても抑えられるようにする。



｢！！｣



小さな男の子がこっちに気付いて声を出そうとした瞬間。
後ろにいた零が飛び出して犯人に気付かれる前に確保することが出来た。






｢おねーさん！！｣


『ぼく大丈夫だった？』


｢うんっ！怖かったけどへーき！！！

おにーさんとおねーさんのおかげ！！｣





ありがと、と泣きじゃくったままの笑顔でにっこり笑うから私たちも顔を見合わせて笑い合う。








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