【名探偵コナン】婚約破棄されたらなぜかモテ期が来た

File.04 / 雨の日のグルーム ページ11

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『……なんか違和感』





指輪を付けなくなって1ヶ月。

肌身離さず大切に付けていた指輪がなくなるって、体の一部が綺麗に切り取られちゃったみたいで、気付けば無意識に薬指を触ったりしちゃう。







｢なにしてんだよ｣



『いや、なんでもない

それよりも早く直してよ』







急がないと仕事に遅れちゃう。

時計を見るといつも出勤するぎりぎりの時間でばしばしと肩を叩けば｢邪魔だ｣と舌打ちされる。


寝起きだったみたいで欠伸を大きくする松田。
寝ていたところを起こして呼び出すのも悪いと思ったけど、通勤手段のバイクが動かせない状態だとどうにもならないし。





｢電車で行けよ｣


『うーん、そうしたいんだけど。

定期券が切れてて使えないの。』


｢ったく…｣






さっき定期券を取り出してみたら丁度3日前に切れていて、後で更新しに行かないと。雨の日は電車で通勤しないといけないから雨が降らない内に出来るだけ早めに行こう。






｢なんで俺なんだよ｣


『だって萩原夜勤だし、それに……』







萩原には会いにくいっていうか……。
あの後から1回も会ってないから気まずいっていうか。


そう言うとなんの事かわからないのか｢はあ？｣と首を傾げられる。




｢めんどくせえ｣




ぶつぶつ呟いている松田は相当眠いのか、こくこくと頭を動かしながら悪態をついている。


あんまり乗り気じゃなかったけど仕方ないから車にもバイクにも強い萩原にお願いしようと電話したんだけど、夜勤だからと泣きながら断られた。


少しほっとしちゃったけど、バイクが使えないと困るわけで。

緊急事態というわけで、同じく機械にスーパー強い分解魔の松田を朝から叩き起こした。









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