CASE:59 仕事に対して厳しい両親。〜裁判官宅爆破事件 �ァ� ページ13
【回想】
〜５年前の10月7日の朝〜
忠司「A、熱風邪か。全く…看護師ともあろう人間が体調管理をしっかりしなくてどうするんだ。」
おそらく朝食を終えたであろう家族３人が、マスクを付け、出勤前に私の部屋へやってきた。
ちなみに私はあまり食欲が無かったが、プリンだけ何とか流し込んだ。
(なんで病気の時まで、こんな小言言われなきゃいけないんだろう。さっさと仕事行きなよ。それに看護師はお母さんが勝手に言ってて…金銭的余裕ができるまで勤務するだけで、私の目標は警官だってば！！)
法子「私たち、今日は３件入ってて…様子見に来れないわよ？」
司「俺が昼休みに一回帰ってくるようにするよ。父さん、母さん。…それに、こんな時にまでそんな言い方しなくてもいいだろ。父さんたちだって、今まで一度も病気しなかったわけじゃないだろ？…とりあえず、俺もう出るから戸締まりしっかりなー。」
お兄ちゃんは両親に向かってそう言った後、私に声をかけてきた。
司「さて、A。父さんたちの言ってることは気にせず昼までしっかり寝てるんだぞー。」
A「うん。ケホッ！ケホッ！…お兄ちゃ…さっきは、ありがとう。」
司「あぁ。父さんたち、普段いないのにこんな時だけ保護者面するなよな。」
私の気持ちを代弁してくれるお兄ちゃんに、思わず笑みが溢れた。
A「ふふっ。…そういえばさ、お兄ちゃん。松田さんと萩原さんは元気？」
司「松田と萩原？…あぁ、２人とも元気だぞ。何？心細くて会いたくなったか？……特に、松田に。」
A「べっ！別に、そんなことないけど…。」
司「俺に嘘つかなくても…。Aは、明らかに萩原より松田の方が好みだろ。それに、何回か連れて来てる間にAが松田を気にし始めたのは分かったよ。……風邪ってのは言っといてやるよ。"見舞い"ぐらいあるかもしれないぞ。」
なんでイタズラ好きの子供みたいに笑ってんの？お兄ちゃん！
A「そんなのいいから！…ケホッ！ケホッ！」
司「ま、また風邪治ったら近いうちに呼んでやるよ。…じゃあ、行ってくる。…たぶん今、母さんが昼用の雑炊作ってる。帰ってくる途中で、スポドリとプリンまた買ってきてやるから。」
A「ありがとう、お兄ちゃん。」
私に見送られる形で、お兄ちゃんは出勤していった。
法子「A、雑炊作っておいたからお昼に食べなさいね。」
こうして、両親も出ていった後…私は昼前まで寝ていたのだった。
――
〜回想 終了〜
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作者名：真桜 | 作成日時：2023年5月1日 18時
