解体できない代物２【松田陣平】 (ページ11)

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CASE:57 私の両親。～裁判官宅爆破事件 ③～ページ11

A「“爆処のトリプルエース”って呼ばれてて、警視庁内で有名だったみたい。そんな人がお兄ちゃんだから、機械の組立や分解はお手のものだし…私が興味を持てばどっちもやり方をすぐ教えてくれたの。ちなみにだけど、時間ができれば…３人ですぐ解体のタイム競い合ってたみたい。でも『松田には何回やっても勝てない』ってよく言ってた。」

コナン「そうなんだ！すごいね！司さんも、松田刑事も。」

松田「何言ってんだか、いっつも10秒以内の差だったつーの。」

A「ふふっ、そうだったんですね！まぁ、そんなこともあって…。組立や分解を一緒にやるようになったよ。一緒に練習するようになってから、ますます"お兄ちゃんカッコイイな！"って…"一緒に仕事したいな！"って考えるようになって、警察官になったっていう経緯があるんだー。」

緑川「それで、そのお兄さんとは一緒に仕事できたんですか？」

緑川さんの問いかけに、私は曖昧に笑って…とりあえず答えをはぐらかす。

A「あの爆弾事件の日…解体できる自信があったわけじゃない…。でも"私がやらなきゃ！"って思ったのと、"松田先輩を追いかけて、ずっと練習して努力した自分を信じてあげよう！"って思ったの。それと、"お兄ちゃんみたいな犠牲者は絶対出さない、みんなを絶対助ける！"ってその気持ちだけだった。」

緑川「犠牲者ってことは、まさか…。」

コナン「“司法の仲裁者(レフリー)”、“司法の女神(マリア)”…って安室さんなら聞いたことあるよね？」

(ハッ、父と母の"通り名"まで…コナンくん、キミっていったい…。)

安室「えっ？あぁ、もちろん。蘭さんのお母さん… 『妃(きさき) 英理(えり)弁護士が“法界の女王(クイーン)”なら、司法の方は“仲裁者(レフリー)”こと…A忠司(ただし)さん。そして“女神(マリア)”こと…A法子(のりこ)さんで決まり！』と言われるほど腕利きの裁判官だ。」

安室さんは「…ん？A…。」と小さく言ってハッと気がつき、みるみるうちに表情を変えていく。

A「安室さんの思っていることは…合ってますよ。A忠司とA法子は、私の両親です。」

安室「やはりそうでしたか。…ということは【あの事件】の――。」

A「はい。私と、私の家族は【裁判官宅爆破事件】の被害者一家であり…遺族です。５年前のあの日に亡くなったのは、司…私の兄です。」

安・緑「……っ！」