解体できない代物 【松田陣平】

CASE:42 １人でいるのが不安で、帰りたくない。 ページ44

松田「知ってるも何も…警察の爆処や消防、自衛隊なんて…みんな世話になってんじゃねぇか？特殊服作らせたら、業界一だぜ。あんた、すごいトコの嬢ちゃんと同期で友達(ダチ)なんだな。俺が挨拶してぇわ。」

A「じゃあ、今度一緒に特捜部に顔出しに行きます？」

松田「おう、そうしようぜ。…とか言ってたら、ハギからメール来た。今から来るってよ…あんたの顔見に。」

A「報告書の作成終わったんですね、きっと。萩原先輩にもかなり迷惑かけちゃった。謝んなきゃ。」

松田「いや、俺やハギは迷惑かけられたなんて思っちゃいねぇぜ。…俺が脅しといたんだ。『無事に全部解体(バラ)して、終わった後…Aの顔見に来なかったらシバくぞ！』ってな。」

A「あは、松田先輩ったら。萩原先輩のことだから、『そりゃあ、責任重大だな。』なんて言ってたんじゃないですか。……ホント飛んできそう。」

松田「はは。ハギの思考、バレてんじゃねぇか。…言ってたぜ、そのまんまな。」

A「やっぱり！ふふっ！」

担当医A「おっ、フラッシュバック起こした後とは思えないほど穏やかだね！松田刑事を信頼してるのが、とても伝わってくるよ。良かった、萩原隊員以外にもそんな人が増えて。…この感じなら今夜は入院要らないと思うけど、Aさんの体的にはどう？」

A「私も、大丈夫そうだなって思います。」

担当医A「じゃあ、萩原隊員のことも安心させてあげてからで良いから、帰る準備してね。」

桜庭「A、また何か手伝うことあったら呼んで。…来るから。じゃあ、松田さん。Aのことよろしくお願いします。」

松田「おう。」

涼花は私たちにそう言い残し、病室を出ていった。

松田「あ…そういやぁ、A。飯食いに行けそうか？今日倒れてっから、家帰って休みてぇなら改めるけど。」

A「実は迷ってるんです…。体的には早く帰って休んだ方が良いんですけど、１人でいるとふと思い出して…またフラッシュバック起こしちゃったりするので…。」

松田「そうか…。難しいとこだな。」

A「ごめんなさい、こんなこと言われても反応に困りますよね。」

(やだ、私…何言っちゃってんの！？)

松田「いや、そんなことはねぇが……。なぁ、A。話の腰折って悪いんだが、トイレってこの階にあるか？」

A「ココを出て右へ進んで、突き当たりを左に行けばあります。」

松田「サンキュ、ちょっと行ってきていいか？」

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