解体できない代物 【松田陣平】

CASE:13 "現場"を知る松田先輩からの評価。 ページ15

A「松田先輩。この"受信センサー"、使い回します？」

松田「いや？今回用に作ったまでだ。」

A「じゃあ、遠慮なく…。"パキン！パキン"！」

私は起爆装置の受信センサーを使用されることがないように、スクラップ処理を施した。

松田「『センサーの類いは使われることがないように壊して処理する』、上出来だ！」

こうして。"遠隔操作用の起爆装置"部分の解体は全て終了した。

(さぁ、ラストスパートかな。…まだ油断できないけど。)

"パチン"、 "パチン"…。

"パチン"、 "パチン"…。

(よかった〜。起爆装置ほどのトラップは…もう無いみたい。)

"パチン！"

松田「お疲れさん、A。爆発物処理、全工程完了！…4分15秒だ。」

萩原「お疲れ様、Aちゃん！すごいね！昨日より15秒早いよ。陣平ちゃんいるのに、よくあんな集中できたね！」

ギャラリー「うぉぉぉ！/すごーい！パチパチパチ！」

私が「終わりました」と声を掛けるより先に、松田先輩と萩原先輩から労いの言葉をいただいた。
そして、見守っていて下さった皆さんからも歓声が聞こえてきた。

でも、そんなことより…まずは萩原先輩。

A「萩原先輩っ！本当にそう見えたんですか！もうほんと…ヒドイですよぉ！なんで松田先輩呼んだんですか！！口から心臓飛び出そうなぐらい緊張してたんですよ！…手、震えてたし。どうして予告しといてくれなかったんですかっ！」

もう。【怒り】やら【恥ずかしさ】やら【緊張】やらで…そんなつもりないのに涙出てきちゃったじゃないですか！…萩原先輩のばかっ！！

萩原「ご、ごめん！…わー！俺が悪かったって、Aちゃん泣かないで。」

松田「お…おい、ハギ。なんで泣いてんだよ、Aは。ちゃんと説明しろよな。」

萩原「陣平ちゃん。Aちゃんは陣平ちゃんに憧れて警察入ったんだよ。それも、陣平ちゃんが解体した爆弾の構成図…くまなく目通すぐらいに。」

松田「はぁ！？マジかよ！…ハギ。そいつぁ、お前がわりぃわ。…なぁ。あんた、帰りにでもハギに奢らせろよ。…にしても、あんたの集中力と技術の高さには驚いたぜ。自分で言うのもおかしいが、俺がいる中でこの結果だろ？もっと動揺しそうなもんだが、自力で立て直してたしな…大したもんだぜ。」

(やだ、どうしよう…！松田先輩にめちゃくちゃ褒められてる！嬉しいっ！…あれ？でも…先輩の耳、赤い？…気のせいかな？)

CASE:14 "その話"は後日…。→←CASE:12 目的を見誤らないように…。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す