ひとごろしのバケモノ キヨ ページ30
杏兎さんリクエスト。二つもありがとうございます！
＊・＊・＊・＊・＊
ジッとこちらを覗く毛むくじゃらの瞳に、今日も私は呼びかけた。
「ねぇ、キヨ、今日も話を聞いてよ。」
ボサボサね黒い毛から覗く赤い切れ長の瞳。人は彼のことをひとごろしのバケモノと呼んだ。
しかし、本質を見てみるとそんなことはない。
「おう、いいぞ〜」
笑いながら私の話を聞いてくれるいいひとだ！
まぁ…見た目からして人ではないけど、人柄はいい！
「今日もね、何も言えなかった…」
「…そうか」
私の話に、頷いて、ちゃんと聞いてくれる。
なんとなく聞いてなさそう、ってこともあるけど、そういうこともあるから。
「いつになったら自立ってできると思う？」
「さぁ…ひとりひとりで違うからな。さっさとしちまう奴もいれば、いつまでたってもできねぇ奴だっているし。」
「私も、いつまでたってもできねぇ奴なのかな…」
「は！？え、いや…そ、そんなことねぇだろ！ほら、今もこうして来てるわけだし…」
でっかい猫みたいなその体によしかかってみる。毛皮越しに暖かい体温が伝わってきて、泣きそうになる。
「ねぇ、お友達。」
「…？お、俺？」
「うん、そうだよ。」
「ちょっと待って、何でその呼び方になったの？」
「…初めてできたお友達だから！」
そういって改めて抱き着くと、彼はとても悲しそうな目をした。
「…あ、ごめ、抱き着かれるの、嫌だった？」
「あぁ、いや…そんなこたぁないけどさ…」
ふいと視線を逸らすキヨ。そのとき、ふいに足に力が入らなくなった。
「あっ」
「…ちょ、おい！」
ぐらりとよろめく私の体を、慌てて受け止めた。
「おまっ…体弱いよな。」
「うん。ちょっとね。」
最近は歩くのもちょっと辛い。なんか、十代の女の子とは思えないね。
たくさんゴミがあるところで生活すんのは体に悪い！ってキヨは言ってたけど、今以上に綺麗な部屋に住んだことはないよ。なんて言えない。
「んっと…あのさ、これ…」
そんな中、キヨは小さな小瓶を差し出した。
赤黒く、でも透明感があって綺麗な、さらさらとした液体が入っている。
「な、ないしょな、これは。絶対に誰かに見せたらだめだぞ。」
「…どうして？」
「ほら、あれだよ、んーっと…羨ましがられたら嫌だろ。俺だって四六時中これ作ってるわけでもねぇし！
それにさ、友達同士の、ちょっとした秘密みたいな？そういうのあったらいいだろ。」
透明な液体越しに、不器用な笑顔が見えた。
ひとごろしのバケモノ キヨ 続き→←だるまさんがころんだ After story
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雛月美鈴 - 空屋さん» リクエストありがとうございます！(大罪短編の方でもリクエストしてくださいましたよねありがとうございます)towacoさんで、リバーシブル・キャンペーンですね！恐らく続編での更新となりますので、よろしくお願いします！ (2018年6月11日 9時) (
レス) id: 98dfe5f018 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストなんですが、towacoさんでリバーシブル･キャンペーンを書いていただきたいですm(*_ _)m (2018年6月11日 1時) (レス) id: a84e1330a7 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - おおおおおおおおおお！ありがとうございますうううううう！さいこーですううううう！！ (2018年5月7日 20時) (レス) id: a9c85d66d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月美鈴 - 涙さん» コメントありがとうございます！面白いと思っていただけて嬉しい限りです！あろま先生で、「地球最後の告白を」ですね！もしかしたら続編での更新になるかもしれませんが、連休中には頑張らせていただきます！ (2018年5月2日 16時) (レス) id: 98dfe5f018 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - とても面白いです！リクエストいいですか？あろま先生で『地球最後の告白を』お願いします！ (2018年5月1日 19時) (レス) id: a9c85d66d2 (このIDを非表示/違反報告)
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