ワールドイズマイン トントン ページ25
彼女との暗黙のルール。
其の一、彼女の髪型は毎日変わるので、それに気が付いて褒めてあげること。
褒めないと後からにすごい怪訝そうな顔されるし、気が付きにくいものでなかったら毎日会ってるし、気が付かないわけはない。
其の二、彼女のことは頭のてっぺんからつま先まで、ちゃんと見て、褒めてあげること。
まあ先述の通り彼女のことはよく観察してる。おいキモイとか言うなわかっとるから。
其の三、彼女の言葉には余計な言葉を返すな。
二、三つの言葉で返すのが最善である。普段と同じようにつっこんだり、反論するだけ無駄である。というか反論の余地はない。…常に彼女が正論を言っているわけではないが。
其の四、其の五と、文章にしたら絶対キリない。
「ねぇ、右手があいてんの、わかってんでしょ。」
はい、ちょっと破るだけでこの睨みよう。それもまぁかわいい。
ひらひらと眼前に突き出される本当に蝶のように細くて柔らかそうな手。それは自分の左手で包むのが不機嫌な彼女を一番満足させられる方法。
「わかってんじゃない。」
正直こんな風に気を遣うのはガラじゃないというか、メンバーに話したら(特にコネシマとかグル氏あたり)バカみたいな大声で笑われそうというか…
「でも待たせたのはむかつく。」
「あー…悪かったって」
「メールくらいくれたっていいじゃない。」
「……」
「あーあ、甘いものが食べたい!ねぇトントン…」
「わあってる。冷蔵庫の中の一番下の段にプリンあるから。」
甘いものをねだられたら、持ってくるよりは場所を教えてあげる方がいいようだ。
ころりとキツかった表情があっという間に笑顔へと変化する彼女の顔。
「ふふ、やっぱここの美味しいわよね」
「高いんやからなぁ、美味しくなかったらすぐなくなるやろうし。」
そんな彼女がつい最近は何も言ってこなくなった。
「…なあ、どしたん、最近。」
街を歩いているとき、ふと聞いてみた。
顔を赤らめ、少々の間をおいて、彼女はこう言う。
「…だって、いっつもトントンに気使わせてるし…私だって、やろうと思えばなんだってできるし…」
指先をこすり合わせ、目を泳がせながら恥ずかし気に、だんだん小さくなる声。
「トントン仕事忙しいんでしょ?だから私もちょっとは、我慢しないとって…」
そして、完全に俯いてしまう。そんな彼女に、俺は勢い余って……
「…おい轢かれんぞ、危ないねん、車道側歩いとったら。」
*
ワールドイズマイン ryo
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雛月美鈴 - 空屋さん» リクエストありがとうございます!(大罪短編の方でもリクエストしてくださいましたよねありがとうございます)towacoさんで、リバーシブル・キャンペーンですね!恐らく続編での更新となりますので、よろしくお願いします! (2018年6月11日 9時) (レス) id: 98dfe5f018 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストなんですが、towacoさんでリバーシブル・キャンペーンを書いていただきたいですm(*_ _)m (2018年6月11日 1時) (レス) id: a84e1330a7 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - おおおおおおおおおお!ありがとうございますうううううう!さいこーですううううう!! (2018年5月7日 20時) (レス) id: a9c85d66d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月美鈴 - 涙さん» コメントありがとうございます!面白いと思っていただけて嬉しい限りです!あろま先生で、「地球最後の告白を」ですね!もしかしたら続編での更新になるかもしれませんが、連休中には頑張らせていただきます! (2018年5月2日 16時) (レス) id: 98dfe5f018 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - とても面白いです!リクエストいいですか?あろま先生で『地球最後の告白を』お願いします! (2018年5月1日 19時) (レス) id: a9c85d66d2 (このIDを非表示/違反報告)
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