Monster ふぁんぽん × ページ23
爛々と輝く満月の光が、俺達を呼び起こした。永い、永い間眠っていた気がする。
相も変わらず毛皮に覆われている相棒の姿を一瞥すると、窓の外を眺めた。
「…わとそん君!無視せんといてって!!」
「あー、はいはい、何年たってもうるさいですね、あんたは。」
その馬鹿みたいにでかい体格で暴れられるとバレるんでやめていただきたいんですがねぇ。
止めるよう言っても無駄だろうし、とまた窓の外を見た。
「…居るん?」
「…いや、まだ誰も見えてないですけれど…恐らくもうそろそろ来るでしょうね。」
草木も静まり返っている真夜中じゃあ、人の目は疎か相棒の目も全くと言っていいほど役に立たない。だからこうして私は見張りをしているんだ。
嫌ではあるが、私が彼女を真っ先に発見できるというわけで。
「わーとそーんくーん」
「……」
真っ暗な闇の中、そこまで背の高くない人影を見つけた。
「まーだー?」
「……」
その服装、髪型、動作からしても、暗闇に溶け込んでもおかしくなさそうな、そんな女性……
「……まだですよ。というか、よく見えないんで、外行ってきます。」
「ほーん。よろしく〜」
誰もいないと知らされ、興味をなくした相方が廊下のカーペットに寝転んだのを確認し、開けた窓から飛び降りた。
女性はとうの昔に私が着地した場所に背を向けていて、大きな屋敷に目を奪われている模様。
まるで死体であるかのように透き通る白い肌、漆黒と呼ぶのに相応しい黒い髪、それらを覆い隠すように纏われた黒いコートとブーツ…それは俺に、彼女が"彼女"であることを確信させた。
どうしようもなく気分が高揚しているのがよくわかる。
「………ヒッ」
ゆっくり、足音を立てずに彼女に近付いていたのだが、彼女には気付かれてしまったようだ。
周囲のことには興味を示そうともしないくせに、気配にだけは敏感なんですよねぇ。扉を閉められたことにさえ気付かなかったのに。
彼女は私のことを見ると小さく声を上げ、怯えたように固まった。でもカタカタと小刻みに震えている。
そんな怯えているような彼女に、こう、言ってやるのだ。
「…ヴガァァァァァ!!」
「ッキャアアアアア!!」
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雛月美鈴 - 空屋さん» リクエストありがとうございます!(大罪短編の方でもリクエストしてくださいましたよねありがとうございます)towacoさんで、リバーシブル・キャンペーンですね!恐らく続編での更新となりますので、よろしくお願いします! (2018年6月11日 9時) (レス) id: 98dfe5f018 (このIDを非表示/違反報告)
空屋(プロフ) - リクエストなんですが、towacoさんでリバーシブル・キャンペーンを書いていただきたいですm(*_ _)m (2018年6月11日 1時) (レス) id: a84e1330a7 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - おおおおおおおおおお!ありがとうございますうううううう!さいこーですううううう!! (2018年5月7日 20時) (レス) id: a9c85d66d2 (このIDを非表示/違反報告)
雛月美鈴 - 涙さん» コメントありがとうございます!面白いと思っていただけて嬉しい限りです!あろま先生で、「地球最後の告白を」ですね!もしかしたら続編での更新になるかもしれませんが、連休中には頑張らせていただきます! (2018年5月2日 16時) (レス) id: 98dfe5f018 (このIDを非表示/違反報告)
涙(プロフ) - とても面白いです!リクエストいいですか?あろま先生で『地球最後の告白を』お願いします! (2018年5月1日 19時) (レス) id: a9c85d66d2 (このIDを非表示/違反報告)
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