実況者夢小説~曲パロ短編集~ パート３

爾今の洋々この蛍光にあり　ひとらんらん　続き　× ページ14

我等を守りし神風よ。
嗚呼どうか、国民の一人であるあの人まで守ってください。

帰りたい。そんなことを言ったら、殺されるだろう。
御国のために死ぬか、あの人の元に生きて帰るしか選択肢はないのに、処刑されるだ？たまったものではない。

耳に入ってくる拍手を聞き流し、指示の通りに敬礼をする。
これがあの人からのものであったら、多少巫山戯た敬礼ができるだろうか。
いや、期待を裏切ることができずに、きちっとした敬礼をするだろうか。

とか考えてはいるが、大将に言われた。煩悩など捨てろ、と。
そうだ、勝つまで、待てばいいんだよ。あいつに逢いたいなんて欲を出しちゃいけな…

…だめだぁ。
帰ってあいつと鶏に逢いたい。
こんな感情も隠さなきゃいけないのか。絶対無理だろ。
特攻隊なんて死ぬ可能性が高いんだから、こんなこと考えたっていいだろ。考えるだけただだよ。
友人だって皆居ないんだ。愛する人を想って何が悪い。

俺はいつから人を殺すようになったのだろう。
俺はいつから人殺しの刃を持つようになったのだろう。
誰がそうしろと教えたのだろう。

誰も憎めぬ。
誰も怨めぬ。
悪い者など何処にも居らぬ。

だからせめて、生きて帰らせてくれ…

俺の分まで笑っててよ。必ず帰ってくるから。
俺は君と出会えて、幸せだから。

終わらぬ戦。
神風が運ぶは鬼哭。


＊
爾今の洋々この蛍光にあり カミウタ


＊・＊・＊・＊・＊
8月15日って終戦記念日ですよね？カゲプロの日じゃないよね？

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