くるみ -胡桃- (ページ37)

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難聴：ymd ページ37

《親子パロ》inym 慧(30) 涼介(5)

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慧side

『りょうすけぇーー、これ付けてよー』

ただいま、朝っぱらから苦戦中です……

戦いの始まりは、涼介を起こすときに遡る。

寝起きの良さが自慢のはずが、珍しく起こしたときから機嫌が悪い涼介。

いつもは目が覚めた瞬間にこっと笑って、その後は自分でとたとた歩いてリビングへ向かうのに……、

『涼介、朝だよー』

声をかけても聞こえないので、カーテンを全開にして身体をポンポンと叩く。

いつもより時間をかけて目を覚ました涼介は、

涼介「、ぅ……ふぇぇっ、……」

急に泣き出してしまった。

その後も、布団の中から手を伸ばしてだっこをせがんで来たり、

リビングのソファーに座らせて補聴器を取りに行こうとするとすぐに泣いてしまったり。

明らかに機嫌が悪い涼介だけど、過去に補聴器をつけると急にニコニコし始めたときがあったから。

『よし、涼介お耳つけるよー』

と、膝の上に座らせて、少し伸びた髪を耳にかけると……

涼介「いぁたっ！………や…たっ、…」

「嫌だ」と耳をちっこい手で塞ぎ、また泣き出してしまった。

そして、今。

『どうしたもんかな………ん？』

落ち着かせるためにさすっていた背中が、妙に熱いことに気がついた。

泣いてるからかな……と思いながらも、

『ちょっと涼介がまんしてね』

顔を覗きこんで目を合わせたあと、涼介の前髪を上げてそっと手をつけた。

『んー……あっちぃね、涼介』

手をつけられたのが気に入ったのか、はたまた冷たくて気持ちいいのか。

とりあえず、このままじゃ準備も出来そうにないし…

『幼稚園お休みしようか。』

目がとろんとした涼介の頭を撫でた。

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