くるみ -胡桃- (ページ15)

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涼介side

『、んっ……？』

目が覚めると、なぜかパパのベッドの上にいた。

『…っ、いったぁ………』

少し身体を起こすと、全身に電気が走ったような痛み。

でも、そのまま寝かせてもらうのは申し訳なくて、痛みに耐えながら起き上がった。

＿＿ガチャッ

侑李「りょーにいちゃん起きてる！おはよっ」

『お、侑李おはよう』

部屋に入ってきた瞬間に、俺の方へダッシュしてくる侑李。

かっわいいなぁ、ほんとに。

侑李「りょうにぃとおはなししたいなぁ……」

慧「ほら侑李ー？おはよう言ったらすぐ準備するって約束したでしょ？」

『よし、侑李が学校頑張ったら、お家でたくさんお話しようね。』

聞き分けの良い侑李は、うんっ！とキラキラ笑顔で頷き、部屋を出ていった。

慧「寝てなくて大丈夫？身体痛いんじゃない？」

『んーん、大丈夫。もう平気だよ？』

もう、迷惑はかけたくなかったから。

まだビリビリと痛む身体を無視し、咄嗟に嘘をついた。

慧「ふふっ、ウソついてまで無理するのは誰に似たのかなぁー？」

『……無理なんか、してない…』

慧「本当に？どこも痛くないの？」

久しぶりに聞く真剣な声に、俯いていた顔を上げる。

慧「ははっ、ホントは痛いんでしょ？んー？」

うわ、でた。

この声で話しながら顔を覗かれると、どうしても素直に言ってしまう。

昔から、そうだった。

『……いたい…、です……。』

慧「でしょ？無理しなくていいんだから。こんなんだけどね父親なんだよ？可愛い可愛い息子にウソつかれたら泣いちゃうよ？」

『、でも……』

慧「でもじゃないのっ！最近眠れないのだって、相談してくれれば良かったのにさー？」

やっぱり、バレてたんだ…。

「…あのね？今涼介が飲んでる薬、あまり効果がみられない可能性があるって。病院行ってさ、一緒に新しいお薬もらってこよう？」

あの薬、効いてなかったんだ。だから……

『…うん、行く。』

えらいねー、なんて頭を撫でられて。

子供扱いされてる気がするけど、その手にものすごく安心した。

fin.