続き ページ24
「分かった」
「あ、でもお昼は食べに来てよ、ね？」
「え、良いの？」
「勿論」
「……じゃあ、お言葉に甘えて」
朝ご飯もサンドイッチを貰ってしまった為申し訳無さを感じるも、相手の好意を無駄には出来ない。
頷きを返せば、シュルクの顔が急に明るくなるのが見えた。子犬かな？
「希望とかある？」
「うーん……お、オムライス……」
最近、というかずっと食べていない。
昨日テレビで作る番組を見てしまったから、つい食べたくなった。
「分かった。卵も常備してあるから、買い物に行かなくても作れるよ」
「……有難う。じゃあ、また後で。あ！声掛けずに部屋に入って良いからね！」
「うん、また後で」
玄関から手を振るシュルクに手を振り返せば、女性の宿舎へと足を運ぶ。
「お邪魔します」
シュルクに言われたが、気が引けるので軽くノックしてから部屋に入れば、気付いたらしいシュルクが駆け寄ってくる。
「エルシア！オムライス出来てるよ」
「え、」
「大体これくらいの時間に来るかなって思ったんだけど、丁度良かった」
驚きを隠せない。
が、そう言われてみれば部屋の中に美味しそうな匂いが漂っている。
そんなエルシアに構わずシュルクは皿をテーブルに置き、ケチャップを掛ける。
「完成！さ、どうぞ」
「うん」
流石にこんな美味しそうなオムライスを前にして時間を潰しては居られない。
座ってからスプーンを握り、1口分掬って口に運ぶ。
「……美味しい」
前にオムライスを食べたのは結構前だけれど、その時のオムライスよりも圧倒的に美味しい感じがした。
「何か秘密でもあるの？」
「いや、普通に作っただけだよ。作りたてだからこそ、尚更美味しく感じられるのかも。……あ、美味しい」
向かい側に座ってシュルクに聞けば、そんな答えが返ってくる。
確かに、まぁ、それなら……なんて渋々ながら納得しつつ食べ進める。
美味しさ故に箸は止まらず、直ぐに完食。
「美味しかった……」
「うん、作った自分が言うのも何だけどこれは美味しかった。」
「じゃあ、片付けはやるよ。朝もお昼もご馳走になったんだもの」
「うん、有難う。じゃあお願いしようかな」
そう言って立ち上がれば、シュルクは笑みを浮かべて此方を見る。
洗い物量も少ない為、直ぐに終わった。
食器を拭いてから戻せば、ほう、と息を吐く。
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作者名：黒洞揚羽 x他6人 | 作成日時：2020年11月29日 1時
