黄色【谷山紀章】 ページ25
谷山紀章、声優であり歌手である
それは周知しているはず、彼を知っている人なら誰もが、もちろん私だって
そして私はその彼と腐れ縁だ
腐れ縁といっても私は彼の背を追うようにここに来た、声優業界へ足を踏み入れた
そこでも彼はキラキラと輝く、黄色の光に、歓声に、皆からの視線の中にいた、それはまるで夏の間に見られる向日葵のような
私は彼が好きだ
彼が私のことをどう思ってるかなんて知らない、知らないし知らない方がいいんだとそう思ってる
だって、笑いかけてもらえなくなったら?距離を取られたら?私は彼の、紀章の視界の中に入れるだけで幸せなんだ
小学生の頃、同じクラスになってから、趣味も性格も好きな遊びも同じだった私たちはすぐに仲良くなれた、一緒に秘密基地作って帰れなくなって泣きながらお巡りさんのところ行ったこともあったっけ
それはいつか、恋心に変わっていた
それに気づいたのは私と紀章が離れるのがわかった時、寂しさの中に好きという気持ちが芽生えた
『こっち向けばーか』
そう、ブースの中にいる彼に対して呟けば聞こえていたかのようにこちらを向く
キラキラと輝く笑顔を向けて手を振ってきた
( あぁ、今日も大好きだ )
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作者名:うた x他4人 | 作成日時:2018年2月1日 17時