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「そう言えばなんで病院に?」
「あ、私昔から体が弱くて、ちょうどあの頃から悪化し始めたみたいでそれからずっとここにいるんです。」
困ったように笑う彼女は儚げだった。
だから突然姿を消したのか。
「そっか…」
かける言葉が見つからずに吃ってしまう。
そんな中、タイミングがいいのか悪いのか、メールが届いた。
なんと、仕事の時間が早まったとのこと。
そうだ、俺帰る途中だったんだ。
「…悪い、仕事行かなきゃ…。
もう少し話していたかったんだけど。」
「…そうですか。私もですけど、お仕事ならしょうがないですね。」
申し訳程度…じゃなくて俺の勝手な行動だけど、紙切れに連絡先を書いて渡した。
「時間あったら連絡くれ」
それだけいうと急いで東京に戻った。
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それからと言うもの、ずっとメールをしていた。
それはどうでもない事ばかりだけど。
ある日、突然連絡が途絶えた。
そう。あのときと同じように。
来る日も来る日も連絡は来なかった。
そしてもう、それが来ることは一切なくなった。
毎年初夏になると感じるこの懐かしさ。
今年もまた君の季節が来た。
たった数日感。君と要られたことが大きな宝物のような、大切な日。
若草色がよく似合う君。
今日もまた、強く生きよう。
君の残した、菜の花の記憶は誰にも消せない。
いつの日か、たくさんのファンメールの中に届いた君からのメールを思い出し、上を見た。
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作者名:うた x他4人 | 作成日時:2018年2月1日 17時