Яカフェ2 ページ13
潤サイド
・
『カフェ・モルペチーノ』
これが、俺の新作。
実は、このカフェをモデルに………。
主人公はニノをモデルに………。
なぁんて、そんなこと言えるわけない。
この物語は、ある一人の女性がたまたま入ったカフェの店員さん、つまり、ニノに恋してしまうお話。
その店員は、恋に鈍感で彼女が猛烈にアプローチしても全然気づかない。
そのまま、彼女は政略結婚をさせられてしまった。
そう、彼女は『お嬢様』。
店員は彼女が『お嬢様』ということを知っていたために気づかないふりをした。
彼女の素晴らしい未来のために………。
この物語はハッピーエンドを迎えない、失恋のお話。
それも社会の『位』の残酷さを表現した失恋。
この物語は恋物語ではなく、社会の位をテーマとした物語。
ニノは気付くかな？……なんて、淡いもない期待をしている俺。
…………まぁ、気づかないだろうね。
なんてったってニノは『鈍感』なんだから。
……ね。
・
和「『カフェ・モルペチーノ』……か。ふふっ。面白そう。家に帰ったら読むね。」
そういい、カフェの裏側へと消えていったニノ。
ガタゴトと、音がして………。
和「潤くん。お昼ご飯食べるでしょ〜！何にする？」
と、姿は見えないが聞こえてくるニノの声。
…………お昼か。
雑誌の連載を仕上げようと思っていたが、まぁいいか。
潤「うん。食べる。じゃあ、おすすめで。」
はーい、とまた声がして、ヒョコっとテーブルから見えた頭。
俺と同い年に見えない顔。
俺、前母さんに35才の誕生日おめでとうって言われたからね……。
一瞬、錯覚しちゃったよ。
と、まぁ、そんなことを思っていたら、出来たよー、と可愛いらしい声が聞こえて、ウェイター姿のニノがおぼんを持ってこっちに近づいてきた。
和「はい。お待たせいたしました。本日のおすすめ、俺からの愛がたっぷり、オムライスでございます。
このオムライスは有名な作家さんのイニシャルがM,Jの人にしか出さない、貴重なオムライスでございますっ！」
ニノは赤い顔でふふっと笑って俺に言った。
和「それと、お代は頂きましたのでごゆっくりとお楽しみくださいっ！」
とも、言うのでえ！？という顔で見つめると、
和「ふふっ。貰ったよ？潤くんの小説。俺が一番最初に見るんだもんね〜」
と、笑う。
実際、編集者さん達が見ているため、一番じゃないけど………とも思ったが、ニノの嬉しそうな顔を見ているともう何でもいい気がした。
・
ラッキー嵐
松本潤
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作者名：美紀 x他1人 | 作成日時：2016年5月31日 18時
