14. Let’s go out!【7/11】 ページ46
「シリウスの手、大きいよね」
Aが呟くと、シリウスは右手を伸ばしてきた。Aの手を合わせると、簡単に包み込んでしまえそうなほど大きい。指の間に絡めるようにして、シリウスがきゅっと軽く手を握ったので、Aも同じようにした。
うぅ、と呻いたシリウスがテーブルに顔を伏せたので、どうしたの、と訊ねると、シリウスはひどく嬉しそうにAを上目で見遣った。
「Aと手を繋げるようになったんだな、と思って」
シリウスの指先は熱くて、熱はAにも伝染するようだった。指先だけでなく、体中が熱い。
「おまちどうさま。チョコレートケーキと、アッサム、それにダージリン」
マダムがいそいそとテーブルにケーキと紅茶を並べる間にも、シリウスはAの手を放してはくれなかった。マダムにとっては、そんな光景は日常茶飯事で、まったく気にならないようだけれど。
「ごゆっくり〜」
マダムは歌うように言って立ち去った。
「あのね、シリウス、手、このままだと、ちょっと食べづらい……」
「……ん」
気のない返事をしたシリウスは、なかなかAの手を放そうとしない。片手で食べられないということもないけれど……。
「いったん放して？」
「ん〜」
「ケーキ一口あげるから」
「口移しで？」
シリウスがニヤッといつもの悪戯っぽい笑顔を見せた。赤くなったAの手を解放して、シリウスは自分のダージリンティーに口をつけた。
Aはようやく、ケーキにフォークを突き立て、一口味わった。かなり甘いけれど、チョコレートの濃厚な味わいはなかなか美味しい。
もう一口とフォークを突き立てると、シリウスが口を開いて待ち構えていた。
「ちょうだい」
口移しよりましかなぁと思い、Aはケーキを載せたフォークをシリウスの口へ運んであげた。ぱくりと口を閉じたシリウスは、満足気に咀嚼する。
「甘い」
「ケーキだもの」
いわゆる間接キスだと思い当たるが、既に何度かキスをしている以上、たいしたことではないと自分に言い聞かせて、Aはまたケーキを口に含んだ。
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Helga(プロフ) - ノさん» 一番好きだなんて嬉しいです！(*´>∀<｀*)たくさんのときめきをご提供できるように今後もがんばります(*´∇`*) (2020年5月20日 17時) (
レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ノ(プロフ) - シリウス落ちの小説の中でいちばん好きです！ときめきが止まりません… (2020年5月20日 15時) (レス) id: 9ec259d83f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - ケイトリンさん» なんと！こちらでも見つけて頂けるなんて嬉しいです(*ﾉω・*)てれてれ 今後とも楽しんでいただけるようがんばります！ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！読み返して頂けるなんて嬉しい…！！引き続き楽しんでいただけるようがんばります(*´∇`*) (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ケイトリン - pix○vでも読ませて頂いてます！本当に面白いです！毎日の楽しみにしてます(笑)無理せず頑張ってください！応援してます！ (2020年5月19日 18時) (レス) id: a8b20e8257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Helga | 作成日時：2020年5月16日 10時
