12. We snuffle.【2/10】 ページ18
大広間に向かって歩き出すと、Aの右手をシリウスが握った。Aもシリウスの手を握り返してみると、シリウスがハッとしてAの顔を見たので、照れ隠しに俯く。シリウスは空いている右手でまた顔を覆った。照れた顔を隠しているらしい。Aは笑いそうになるのを噛み殺した。
「グリフィンドールは何の授業だったの？」
「飛行訓練」
シリウス、ジェームズ、ピーターが口を揃えて答えたので、Aはふふっと笑った。
「さすが。息ぴったりだね」
「Aは何だったんだ？」
「私は空き時間だったから、ハッフルパフのみんなと課題のレポートをやっていたの。羊皮紙二巻分って、拷問としか思えない」
「二巻分くらい、二、三時間あれば足りるだろ？」
ジェームズが驚いた顔をしたので、Aはピーターと一緒になって溜息をついた。天才型のジェームズにはわかるまい、羊皮紙二巻分を書くのに、最低でも十時間は必要な凡人の気持ちは。ピーターは憂鬱そうにぼやいた。
「僕、まだ変身術のレポートが終わってないんだ。無脊椎動物に変身させるための原理と法則について、羊皮紙二巻分」
「私もそれ。まだ半分しか書けていないの。期限は明後日なのに」
「僕はまだ三分の一くらい。しかも、提出期限は明日」
「それなら……」
一緒にやろうか、と声を掛けそうになったAだったが、口を噤んだ。今日の放課後はシリウスと約束している。Aがピーターを誘うのは、ちょっと違う気がした。
「だったら、一緒にやるか？」
シリウスが提案すると、ピーターは遠慮がちに微笑んだ。
「気にしないで。コリーと二人で過ごす予定なんだろう。邪魔しちゃ悪いよ」
「お前はいいヤツだけどな、ピーター、変な遠慮をするなよ。俺はリーマスほどいい先生じゃないが、多少は役に立つだろ？」
「そりゃ、すごくありがたいよ。でも、コリーを優先してあげなよ。コリーに怒られるよ」
シリウスが慌ててAの方を振り返った。Aはピーターの言葉に首を傾げた。
「怒らないよ。どうしてそう思うの？」
「恋人より友達を優先したら、たいていの女の子は怒るよ……」
Aからピーターを誘うのはちょっと違う、と考えたAの心理は、まさにそれだった。Aがシリウスよりピーターを優先するのは良くないと考えた。けれど、Aは別に、シリウスが当然のようにAとのデートよりピーターを優先しても、怒りは抱かなかった。
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Helga(プロフ) - ノさん» 一番好きだなんて嬉しいです！(*´>∀<｀*)たくさんのときめきをご提供できるように今後もがんばります(*´∇`*) (2020年5月20日 17時) (
レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ノ(プロフ) - シリウス落ちの小説の中でいちばん好きです！ときめきが止まりません… (2020年5月20日 15時) (レス) id: 9ec259d83f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - ケイトリンさん» なんと！こちらでも見つけて頂けるなんて嬉しいです(*ﾉω・*)てれてれ 今後とも楽しんでいただけるようがんばります！ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！読み返して頂けるなんて嬉しい…！！引き続き楽しんでいただけるようがんばります(*´∇`*) (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ケイトリン - pix○vでも読ませて頂いてます！本当に面白いです！毎日の楽しみにしてます(笑)無理せず頑張ってください！応援してます！ (2020年5月19日 18時) (レス) id: a8b20e8257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Helga | 作成日時：2020年5月16日 10時
