11. Stay with me.【10/12】 ページ14
ただの興味本位だったのか。シリウスは所定の位置に鉢を下ろすと、Aの様子を注意深く観察した。Aは顎に手を当て、また何か質問を考えているらしい。はっと思いついたらしく、きらきらと輝く目でシリウスに聞いた。
「理想のデートは？ どういうの？」
「Aは？」
「えっ？」
「Aの好きな動物、色、食べ物、飲み物、それから理想のデート」
シリウスの切り返しに、Aは目を瞬いて、指を降りながら答えた。
「好きな動物は、狐と犬。好きな色は、桜色。好きな食べ物は、チョコレート。それから、好きな飲み物はね……シリウスのココア」
答えてみてから、Aは口元に手を当て、ふふっと声を漏らして笑った。
「シリウスと似ているね？ 私もローストチキン好きだよ」
他はなんだっていい−−「似ている」というAの言葉ももちろん嬉しかったのだが、それ以上にシリウスの胸を熱くしたのは、Aが好きな飲み物をシリウスのココアだと答えた事だった。リーマスの紅茶ではなく。
シリウスとリーマスではなく、ココアと紅茶を天秤にかけたのだとしても、シリウスの前だから配慮してシリウスのココアと答えたのだとしても、選んでもらえた事が堪らなく嬉しかった。
Aはシリウスの胸中には気づかないまま、にこにこと楽しげに続けた。
「理想のデートはね、ドレスローブを選びに行った後、美味しいケーキを食べに行くの」
それはシリウスとのデートだ。
Aがドレスローブ選びに付き合ってほしいと言ったのはシリウスだ。ケーキを食べようと誘ったのはシリウスだ。−−リーマスじゃない。
楽しそうに笑うAがきらきらと輝いて見えた。シリウスの全身を引き寄せるような魔法が掛かっているのかもしれない。
シリウスの手はAの手を掴み、驚いた顔をするAを温室の陰に引きずり込むようにして壁際に追い込むと、Aに覆い被さるようにしてAの唇をふさいだ。
今は、今だけは、Aは俺だけのものだ。たとえAがリーマスを好きでも、Aはシリウスの彼女であることに違いなかった。シリウスに向かって笑ってくれるAが、可愛くて、愛おしくて堪らない。
Aは目を閉じて、シリウスが何度も口付けるのを受け入れていたが、そっと両手を突き出してシリウスの胸を押した。
「授業中だよ、誰か来るかも……」
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Helga(プロフ) - ノさん» 一番好きだなんて嬉しいです！(*´>∀<｀*)たくさんのときめきをご提供できるように今後もがんばります(*´∇`*) (2020年5月20日 17時) (
レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ノ(プロフ) - シリウス落ちの小説の中でいちばん好きです！ときめきが止まりません… (2020年5月20日 15時) (レス) id: 9ec259d83f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - ケイトリンさん» なんと！こちらでも見つけて頂けるなんて嬉しいです(*ﾉω・*)てれてれ 今後とも楽しんでいただけるようがんばります！ (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - はなさん» ありがとうございます！読み返して頂けるなんて嬉しい…！！引き続き楽しんでいただけるようがんばります(*´∇`*) (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ケイトリン - pix○vでも読ませて頂いてます！本当に面白いです！毎日の楽しみにしてます(笑)無理せず頑張ってください！応援してます！ (2020年5月19日 18時) (レス) id: a8b20e8257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Helga | 作成日時：2020年5月16日 10時
