11. Stay with me.【9/12】 ページ13
シリウスの方は、重たい苗を傷つかないようしっかり持っていなければならない体力勝負で、Aは素早く浮遊呪文から消失呪文を使ったあと、シリウスが保持していられる間に柔らかい土を鉢に入れていくスピード勝負になる。
シリウスは軽々と苗を持つことができた。思っていたよりも苗は軽く感じた。Aもできるだけ素早く作業を終わらせくれた。
植え替えが終わり二人でほっと一息つくと、息の合わないペアからはお互いに文句を言い合っているのが聞こえてきた。
「シリウス、大丈夫? 腕、痛くない?」
「全然。俺の腕に魔法かけてた?」
「少しだけ。良くなかった?」
「すげぇ楽だった。助かった」
感謝を込めて言うと、Aはほっとしたように笑った。自分に対する健気な気遣いが嬉しくて、気を抜くとニヤけてしまいそうだ。
スプラウト先生は二人の苗が綺麗に植え替えられていることを確認し、温室に運ぶようにと指示した。シリウスが魔法で新しい鉢を動かし、Aは温室までついてきた。
「シリウス、質問してもいい?」
「何?」
「誕生日はいつ?」
「誕生日? なんで?」
「お祝いしたいから」
Aは温室のドアを押さえ、シリウスが苗を浮かせて運び入れるのを待った。
「十一月三日だ。祝ってくれるのか?」
「うん。必要の部屋でお祝いさせてくれる?」
Aがまたニコッと微笑んだので、シリウスの心臓はぎゅっと握られたような感じがした。
「断る理由がない。ジェームズにも、クィディッチの練習を入れないよう頼んでおく」
彼女が誕生日を祝ってくれる。クィディッチの練習にだって邪魔はさせまいと思った。Aの提案した場所からして、二人きりを期待してもいいだろうか……。
「よかった! じゃあ、好きな動物は?」
「犬……いや、狐?」
「ふふっ、好きな色は?」
「うーん……強いて言うなら赤?」
「グリフィンドールの色だね。じゃあ、好きな食べ物は?」
「ローストチキン」
「好きな飲み物は?」
「Aのコーヒー」
Aは少し驚いた顔をして、頰を染めた。もじもじした様子で「ありがとう」と言うので、シリウスまで恥ずかしくなってきた。
「占いか何か?」
「えっ? ううん。知りたかっただけ」
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Helga(プロフ) - ノさん» 一番好きだなんて嬉しいです!(*´>∀<`*)たくさんのときめきをご提供できるように今後もがんばります(*´∇`*) (2020年5月20日 17時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ノ(プロフ) - シリウス落ちの小説の中でいちばん好きです!ときめきが止まりません… (2020年5月20日 15時) (レス) id: 9ec259d83f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - ケイトリンさん» なんと!こちらでも見つけて頂けるなんて嬉しいです(*ノω・*)てれてれ 今後とも楽しんでいただけるようがんばります! (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
Helga(プロフ) - はなさん» ありがとうございます!読み返して頂けるなんて嬉しい…!!引き続き楽しんでいただけるようがんばります(*´∇`*) (2020年5月19日 22時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ケイトリン - pix○vでも読ませて頂いてます!本当に面白いです!毎日の楽しみにしてます(笑)無理せず頑張ってください!応援してます! (2020年5月19日 18時) (レス) id: a8b20e8257 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Helga | 作成日時:2020年5月16日 10時