検索窓
今日:1 hit、昨日:13 hit、合計:105,340 hit

5. Please get attached to me.【1/9】 ページ34

朝食を食べ終わった後、Aは図書館で勉強するからと席を立ったのだが、シリウスも一緒に行くと言い出した。

 リーマスも来てくれたら嬉しいと考えて、Aは勇気を振り絞って誘ってみたが、ピーターのレポートを添削してあげる約束をしているからと、断られてしまった。

 リーマスに勉強を教えてもらえるピーターが羨ましい。どうして私はシリウスと二人で図書館に向かっているのかな……。

「Aは何の課題なんだ?」

「課題じゃないよ、授業の予習」

「いまだに真面目に予習してるのか」

「予習しないと、授業がわからないんだもの」

 Aにとって、ホグワーツの授業についていくのは大変だ。日本人のAには、ネイティブのような英語の理解力がなく、授業内容の事前知識がないと、何ひとつ聞き取ることができない。魔法界には独自の単語が多いので、予習をしていかなければ、最初から最後まで授業の内容を理解できず、ただの音楽にしか聞こえなくなってしまう。

「一年の時、ジェームズが廊下で花火を爆発させて、Aの変身術の教科書を燃やしちまったのを覚えてるか? あの時のA、泣きそうな顔をしてたよな。ジェームズが弁償するって言ってんだから、大したことないだろって正直思ったよ」

「私があれでどれだけショックを受けたと――」

「知ってるよ。図書館で見かけたとき、開いてあったAの教科書が偶然目に入って驚いた。見たことない文字がびっしり書き込んであってさ。母国語訳を書き込んでたんだってすぐ気づいた。ジェームズが燃やしちまった変身術の教科書にも書いてあったんだろ?」

「う、うん……」

「だからって、俺には何もできなかったんだけどな」

 たとえジェームズ本人が知ったとしても、どうする事もできなかった事だ。燃えてしまった本を元に戻すことはできない。

5. Please get attached to me.【2/9】→←4. Will you give me a reward?【6/6】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
113人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

Helga(プロフ) - ハリネズミさん» コメントありがとうございます!嬉しいです。励みになります〜! (2020年5月10日 14時) (レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ - 面白いです。更新楽しみにしてますー! (2020年5月7日 10時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:Helga | 作成日時:2020年5月1日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。