3. Look at me only.【7/9】 ページ25
土曜日の朝、Aはメアリー、テオ、ジョンと一緒に大広間へ向かう途中、クィディッチの話題で盛り上がり、高揚した気分で大広間の扉を開けた。
ちょうどAが扉を開けた瞬間、出て行こうとしていたマイケル・テイラーと鉢合わせし、Aは身をすくめた。
「よう。今日はシリウス・ブラックは一緒じゃないのか？ まさかもう捨てられたのか？ 可哀想に」
「ちょっと、失礼な事言わないで！ コリーに謝ってよ！」
メアリーが噛み付いた。
「フン。男なら誰でもいいんだろ？ 媚びてるのがバレバレなんだよ、コリーちゃん」
言い返したかったが、恥ずかしさと悔しさで頭の中まで火照ってしまって、うまく英語が出てこない。
きゅっと指先でドアの取っ手を握り締めたAは、そのまま逃げてしまおうかと思った。
「レイブンクロー、五点減点」
背中から聞こえた声に恐る恐る振り返ると、グリフィンドールの監督生であるリーマス・ルーピンが、咎めるような表情でマイケルに対峙していた。
「君は曲がりなりにも監督生だろう。女の子に言って良い事と悪い事の区別くらいつくはずだ」
「ハッ、今度はリーマス・ルーピンか。そんなに男好きだとは知らなかった――」
メアリーがマイケルに掴みかかろうとしたので、Aは慌ててメアリーを後ろから取り押さえた。
「離しなさいよ、コリー！ この腹の立つ男、痛い目に合わせてやらなきゃ気がすまないわ！」
「落ち着いてよ！ テオとジョンも見てないでメアリーを止めてよ！」
「あ、うん」
テオとジョンは慌ててAを手伝った。
「マイケル。君はただ、コリーに自分にだけ優しくしてほしいだけなんじゃないのかい？ だったらまず、君がコリーに優しくしなければならないよ」
リーマスが諭すようにゆっくりと説くと、マイケルは唇を噛んでAを一瞥し、目を逸らしてそのまま大広間から速足で出て行ってしまった。
マイケルの姿が見えなくなるまで待って、Aはようやくメアリーを解放した。メアリーはまだ不機嫌だったが、マイケルを追いかけるのは止めたようだ。
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Helga(プロフ) - ハリネズミさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。励みになります〜！ (2020年5月10日 14時) (
レス) id: 4936191a5f (このIDを非表示/違反報告)
ハリネズミ - 面白いです。更新楽しみにしてますー！ (2020年5月7日 10時) (レス) id: 48ddc9040e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Helga | 作成日時：2020年5月1日 22時
